BOX ON! 国内ニュース(12月30日)

ポンサクレック、中沼 共にリラックス
WBCフライ級戦 調印式
 1月3日の“正月決戦”、WBC世界フライ級タイトルPONSAKLEK NAKANUMA CHOUIN.JPG - 15,140BYTESマッチの調印式&記者会見が30日、東京・港区のテレビ東京で行われ、王者ポンサックレック・グラティンデーンジム(タイ)、挑戦者13位トラッシュ中沼(国際)共に好調キープを印象づけた。
 終始リラックス・ムードだった。互いに相手をあおるような発言もなければ、にらみつけるようなシーンもなし。手を差し出し合って笑顔で握手するなど、戦闘直前の雰囲気は皆無に等しかった。
 対面した印象をあらためて聞かれた両者。王者が「特に印象はないが、ナカヌマはとても強い選手なので気を引き締めたい」と正統発言をすれば、挑戦者は「凄く人が良さそう」とキスの真似までする相変わらずのサービスぶり。約10人ほど駆けつけたタイ人記者から「強い王者にどうやって勝とうと思うのか?」とやや“挑発的な”質問をされても「ポンちゃんはメチャクチャ強いので、最初からドンドン飛ばしてそれでダメなら5、6ラウンドで……(笑)」と軽いジョークであっさりかわしてみせた。
「自分は試合の10分前くらいに一気に集中するタイプなので」と中沼。試合当日の豹変ぶりを期待したい。
 調印式後にはルール・ミーティングも行われ、試合はノースタンディング8カウント、フリーノックダウン制(1つのラウンド中に何度ダウンしても、レフェリーが、ダメージが深刻でないと判断すれば試合は続行する)採用などが確認されている。また、試合使用グローブは日本製(ウイニング社)8オンスグローブで、チャンピオンが赤色、挑戦者が青色を使用することになった。
 なお、当日のオフィシャルは次の通り。
レフェリー:ブルース・マクタビッシュ(ニュージーランド)
ジャッジ:マルコム・ブルナー(オーストラリア)
  金 在 奉(韓国)
  チャック・ウイリアムス(アメリカ)

 

 BOX ON! 国内ニュース(12月30日)

ムニョス、キリロフが公開練習
 1月3日大阪のダブル世界タイトル戦KIRILOV PUBLIC WORKOUT.031229.JPG - 12,104BYTESで小島英次の挑戦を受けるWBA世界S・フライ級王者アレクサンデル・ムニョス(ベネズエラ)と、WBC同級王者徳山昌守に挑む1位ディミトリ・キリロフ(ロシア)が29日大阪・京橋の大阪帝拳ジムでそれぞれ報道陣に練習を披露した。
 徳山の刺客キリロフ(左写真)はスパーはせず、シャドー、サンドバッグ打ちなど30分足らずの軽い練習で切り上げた。それでも、「戦う準備はできている。激しい試合になるだろうが、100パーセント勝つ自信がある」と必勝宣言。すると傍らのシェファー・マネが「いや、
200パーセントだ」と”訂正”した。
 一方ムニョス(下写真左)は来日した昨日に続いてこの日もたっぷり時間をかけてジムワーク。公開スパーでは、日本L・フライ級6位の国重隆(大阪帝拳)を相手に3ラウンズ。軽くこなすはずが、サウスポー国重の左ストレートを浴びるや、ムキになって左右を振り回すシーンも。3回には動きMUNOZ031229.JPG - 17,641BYTESの止まった相手に右左とアッパーを繰り出し、24勝中23KOを生んだ破壊的な強打の片鱗を見せた。しかし試合5日前のスパーにしては激しすぎ、急ピッチで調整しなければならないほどコンディションはよくないのではという見方も。それでも「寒いところで練習もしてきたし体重も問題ない。日本人選手は精神力が強く決して楽ではない。でも常にベストを尽くして、勝てればそれでいいし、KOはこだわらない」と余裕。さらには「最終的には小島ではなく徳山さんと戦いたい」と改めて統一戦をアピールした。 

 BOX ON! 国内ニュース(12月29日)

日本人初の世界王者
白井義男さん逝く
 日本人初の世界チャンピオン、白井義男氏が26日SHIRAI YOSHIO.JPG - 9,900BYTES午前9時過ぎ、肺炎のため川崎市の病院で亡くなった。去る11月23日に80歳の誕生日を迎えたばかりだった。
 すでに親族らによる密葬を済ませ、1月14日午後2時から東京都港区芝公園3−16−4の聖アンデレ教会で追悼礼拝を予定している。
 東京都荒川区出身。太平洋戦争の最中の昭和18年に拳道会からプロ・デビュー。戦後いちはやくボクシング界に復帰。銀座のジムで偶然出会った連合軍総司令部(GHQ)勤務の植物学者アルビン・カーン博士から天性の素質を見出され、長身からのストレートを武器とした華麗なアウトボクシングに磨きをかけた。24年1月、古豪花田陽一郎を破り日本フライ級王座獲得。その年暮れにはバンタム級王者堀口宏も撃破し2階級制覇に成功。26年5月、ノンタイトルで時の世界フライ級王者ダド・マリノ(ハワイ)を迎えノンタイトル戦を挑んだが、善戦及ばず10回判定負けを喫した。しかしその7ヵ月後ハワイで再度ノンタイトル戦に臨み、7回TKO勝ちする大殊勲。
 この勢いを駆って27年5月19日、東京・後楽園球場で行われた日本ボクシング史上初の世界タイトル戦で王者マリノに15回堂々の判定勝ちを飾り、日本ボクシング界長年の悲願だった「世界チャンピオンを日本人の手に」を実現させた。この快挙は、当時まだ敗戦の痛手から立ち直れないでいた日本人を大いに勇気づける偉業として讃えられ、白井は水泳の古橋広之進とともに時代を代表するヒーローとなった。
 世界王座を4度防衛した後、昭和29年11月、パスカル・ペレス(アルゼンチン)に敗れ無冠となる。翌年の再戦で敗れたのを機に引退。通算戦績は48勝20KO8敗2分10EX(コミッションに残る通算レコードは54戦44勝15KO8敗2分)。
 引退後は評論家として活躍。TBSのテレビ解説で郡司信夫氏とコンビが人気だった。また、特に親しかった後輩の世界王者、具志堅用高氏が平成7年に白井・具志堅スポーツジムを設立すると、請われて「名誉会長」を引き受け、熱心に後進にアドバイスを与え続けた。
 素顔の白井氏は、誰もが尊敬の念を抱かずにはおかない紳士。特に生涯独身のカーン博士を家族の一員として迎え、亡くなるまで篤く世話をした。2人の関係は「ボクサーとマネジャーとの最高に幸せな関係」として、大いに羨望を集めた。世界チャンピオン時代に結婚した妻・登志子さんとの間に2女1男をもうけ、愛妻家としても知られた。

 BOX ON! 国内ニュース(12月28日)

杉田、マーカに判定負けで初黒星
 WBC・S・バンタム級ユース王者の杉田真教(天熊丸木)がフィリピMACA SUGITA 031228.JPG - 14,281BYTESンの大ベテラン、ジェス・マーカに挑んだ年末の大一番は、マーカが相変わらずの変則テクニックを駆使して若い杉田を
ハネのけた。
 東洋王座を長谷川穂積に明け渡したマーカは、9月にもタイでKO負けを喫して再起ならず。モチベーションの低下が懸念されたが、開始ゴングからハイテンション。得意のフリッカージャブか
らワンツーと先手を抑え、その打ち終わりを狙った杉田の反抗もタイミングの妙でスカし切った。マーカは43勝17KO19敗5分。
 初黒星(15勝1敗)を喫した杉田だったがショックは少なく「今日は勉強させてもらいました。1敗したら辞めるなんていってましたが、ボクシングってそんなもんじゃない。マーカはたしかに壁だったけれど、思ったほど高くなかったし、10ラウンドやって疲れもない。これからの僕に期待して下さい」と言い切った。スコアはマーカの97−96、98−96、95−97と2−1。
 また前座では東洋ウェルター級王者・渡辺博(天熊丸木)がノンタイトル10回戦でタノンサク・ソーパランタイ(タイ)を初回、2回とダウンさせて2ラウンド2分48秒で痛烈なKO勝ち。また2月8日にチャンピオンカーニバルで日本フライ級王座を中野博(畑中)と争うことになった小山晃司(天熊丸木=WBC14位)がアヌパープ・ツインズジム(タイ)に3回TKO勝ちしている。
 他のカードは、中村好伸(天熊丸木)はガイヤシット・チュワタナ(タイ)に10回判定勝ち。小西明生(岐阜ヨコゼキ)はサイソン・スリプラチャン(タイ)に3回KO勝ち。井村峰和(天熊丸木)はワンヒン・チュワタナ(タイ)に2回KO勝ち。萩森良平(天熊丸木)はヨドモンコン・シッソーパー(タイ)にこちらも2回KO勝ちだった。   

 BOX ON! 国内ニュース(12月28日)

ポンサックレックが練習を公開
 1月3日横浜のWBC世界フライ級タイトル戦でトラッシュ中沼の挑戦をPONSAKLEK.SPARS.031227.JPG - 13,575BYTES受ける王者ポンサックレック・クラティンデーンジム(タイ)が27日午後、東京・鶯谷の国際ジムで日本の報道陣に練習を公開した。
 昨日来日したばかりのチャンピオンは、長旅の疲れも見せずエネルギッシュに動いた。しかしスパーそのものは「公開スパー」とは名ばかりで、すでに引退しているダオプラサップを相手にマスに近い2ラウンド。偵察の三浦利美・ドリームジム会長も「ポンサックレックは左ボディーがうまい選手。でも今日は返しの右を1回も使っていなかった」と、手の内を見せないのは承知の上。
 日本での試合はこれが3度目となるチャンピオンは、11月14日にタイで指名挑戦者フセイン・フセインに判定勝ちして8度目の防衛戦をこなしたばかり。試合間隔が1ヵ月半とは短かすぎるが「試合後2日休んだだけですぐ練習しているので、コンディションは問題ない」と語り、また今度の相手中沼については「小松戦のビデオを見た。総合的にまとまっており、すごい危険な相手だと思うが、自分もしっかり練習しているので、自信がある」と余裕も。派手なセリフは吐かなかったものの「倒すチャンスがあれば倒すし、判定でも私が勝つ」と、V9に向けゆるぎない自信をアピールした。

 BOX ON! 国内ニュース(12月26日)

中沼、好調アピール
世界挑戦に向け練習を公開
 1月3日にWBCフライ級タイトル挑戦を控えるトラッシュ中NAKANUMA 031226.JPG - 11,994BYTES沼が、12月26日に国際ジムで公開練習を行い、好調をアピールした。
「ウェイトは先週土曜日にリミットまで落として、今はまた食べながら練習している。順調です」という中沼だが、サウスポーのスパーリングパートナー不足を嘆く一面も。予定していた70ラウンドには届きそうもない。しかしこれも中沼のハードヒットが原因。「結構、パートナーのマブタが切れちゃったりするんだよなぁ。まあ、パンチでカットさせているんだから、切れがあっていいということでしょう」と中沼。トレーナーを務める三浦利美ドリームジム会長も「疲れているが、小さいパンチを的確に打てるようになって、それでパートナーのマブタをカットしたり、ボディーで倒したりしている。長いラウンドのスパーもやりたいけど、相手がツブれちゃうんだから……パンチが切れている証拠です」とこちらも手応え十分。
 中沼は表情も明るく、「ポンサックレックには日本人が3人やられている。ちょっと日本人を小馬鹿にしてるところがありそうだから、“ナメんなよ”というところを見せてやりますよ」と怪気炎。好きな酒も12月6日をもって禁酒したはずだが、「まぁ、一応そう書いておいて下さい(笑)」。止まらない中沼節が好調を裏づけているようだ。
 27日には予備検診と王者ポンサックレックの公開練習が行われ、30日に調印式、ルールミーティング。明けて1月2日に計量というスケジュールになっている。

 BOX ON! 国内ニュース(12月26日)

徳山3年連続MVP
 年間優秀選手選考 佐竹は殊勲とKOダブル受賞
 年末恒例の年間表彰選手選考会が25日午後、東TOKUYAMA MVP 2003.JPG - 14,545BYTES京・後楽園飯店で催され、東西の運動記者クラブ・ボクシング分科会のメンバーと専門誌2誌の記者の投票により各賞が選出された。この結果、2003年度の最優秀選手賞(MVP)には、WBC世界S・フライ級王者として防衛記録を「7」に更新した徳山昌守が選ばれた。徳山は3年連続の受賞となった。 技能賞はS・フライに次いで暫定ながらWBAバンタム王座も獲得し世界2階級制覇に成功した戸秀樹が唯一ノミネートされ、25票を集めて初受賞となった。
 殊勲賞は東洋太平洋S・ライト級王者の佐竹政一がこれも初受賞。防衛記録を「9」に伸ばしただけでなく、10月4日の「世界挑戦者決定戦」でベネズエラ王者のリチャード・レイナをスリリングなKOに沈めた一戦が高く評価され、合わせてKO賞も獲得した。
 敢闘賞は4月のラリオス挑戦でKO負けのピンチに立ちながら盛り返し、チャンピオンのあごを割る善戦の判定負けを喫した仲里繁が選ばれた。KO賞は通算13連続KOの丸山大輔(今年は3勝2KO)他、佐竹政一(2勝2KO)、金山俊治(4勝4KO)、榎(2勝2KO)の4人がノミネートされ、3度の投票の結果、佐竹が金山を振り切って初の受賞となった。数は少なかったものの、中身の濃さでビッグなタイトルを手にした。
 新鋭賞もノミネート段階で6選手が候補に上がったが、長谷川穂積が1回目の投票で過半数の15票を集めて受賞。東京での試合はなかったものの、日本人キラーのジェス・マーカを倒してのOPBFバンタム級王座獲得は大殊勲。
 年間最高試合は、ラリオス−仲里戦が18票を集め、徳山−川嶋戦、戸−ガメス戦を振り切っての受賞となった。表彰式は来年1月22日に催される。

表彰選手(プロの部)
◆最優秀選手賞  徳山 昌守(金沢)            B
◆技能賞     戸 秀樹(緑)             初
◆殊勲賞     佐竹 政一(明石)            初
◆敢闘賞     仲里 繁(沖縄ワールドリング)      初
◆努力賞     前田 宏行(角海老宝石)         初
◆KO賞     佐竹 政一(明石)            初
◆新鋭賞     長谷川穂積(千里馬神戸)
◆年間最高試合賞 オスカー・ラリオス−仲里繁戦
         (4月26日・東京)
◆特別賞     星野敬太郎(花形)
         リック吉村(石川)

 BOX ON! 国内ニュース(12月24日)

原田協会長の続投を要請
 日本プロボクシング協会は23日静岡県熱海市内のホテルで理HARADA MASAHIKO 031224.JPG - 5,011BYTES事会を開き、来年3月に任期の切れる原田政彦協会長(60歳)の”続投”を要請した。これに対し原田氏は回答を保留し、年明けの理事会で正式な意思表示をすることになった。
 原田協会長は1989年に就任以来5期15年を務め、続投となればさらに3年間が加わり、歴代協会長でもずば抜けて長い期間同ポストを暖めることになる。一時は「(協会長を)15年もやったし、還暦を迎えたのでこれを区切りとしたい」と勇退の意向を漏らしていたが、業界の強い要請を受けて引き続き会長ポストに留まるものとみられる。元世界チャンピオンとしての知名度もあり、「業界のシンボルとしても最適」(関係者)ということのようだ。


ファイティング原田ジムが横浜市内に移転
 ファイティング原田ジム(原田政彦会長)が間もなく11年前に開いた川崎市宮前区鷺沼のジムから横浜市内の新ジムに移転する。新しいジムは地下鉄線の中川駅から徒歩3分と便利な場所にあり、1月5日から活動開始となる。
 同ジムは「ファイティング原田」のリング名でフライ、バンタムの世界王座に君臨し一世を風靡した名世界チャンピオン、原田政彦氏(60歳)が主宰。現在日本プロボクシング協会会長の要職も務めるが、「初めてのジム・オープンでもないし、大げさなことはしたくない」と、通常行われるようなジム開きのパーティーは予定していないという。
 新ジムの住所は下記の通り
 〒224−0001
 神奈川県横浜市都筑区中川1−20−18
 エバーラスティング A−3
    (пj045−912−1828

 BOX ON! 国内ニュース(12月22日)

JBCがジャッジに対し“初の”サスペンド
大之伸−阿部戦問題
 14日、福岡県・宗像ユリックKUMA ABE AFTER 031221.JPG - 17,079BYTESスで行われた日本フェザー級タイトル戦、チャンピオン大之伸くま(福間スポーツ)−挑戦者3位・阿部元一(ヨネクラ)戦の採点問題に関し、JBC(小島茂事務局長)がついに見解を発表−−。
 ヨネクラジムからの抗議文を受けたJBCでは、西部地区事務局から提出された試合ビデオを検証。「大之伸選手のフルマークになるような内容では決してない」(小島事務局長)ということで一致。100−92で大之伸勝利を支持した福本元秋ジャッジ(43歳)に対し事情聴取を行った結果、「採点に誤りがあった」(福本ジャッジ)という認識を得たため22日、次の3点を指示する旨を発表した。(1)大之伸くまと阿部元一との即・再戦を指示する。
   勝者は1位・榎洋之(角海老宝石)と90日以内に対戦をすることとする。
(2)福本元秋・副審の審判ライセンスを無期限の停止とし、JBCの許可あるまで、その更新は認めない。
   著しく妥当性を欠くとみられる採点は、審判としての適格性を問われるものである。原点に立ち返って審判として研鑽すべきである。
(3)当該審判を含む各審判に対しては、公正な職務を全うするために、一層の精進を求める。
 レフェリーの誤審等によるサスペンドはこれまでに度々あったが、採点に関してジャッジが裁かれるのは「日本リング史上初」(小島事務局長)。度重なる“不当判定”“地元判定”に対する警鐘となるのは確実で、日本ボクシング界の前進ととらえてよかろう。
 なお、大之伸−阿部の再戦が「チャンピオン・カーニバル試合」。当初、カーニバルでの王座初挑戦を予定していた榎は待たされる格好となるが「角海老宝石ジム側には『再戦を優先してもかまわない』と了承は得ており、勝者−榎戦は指名試合扱いとなる」(小島事務局長)。
 福間スポーツジム側の都合では両者の再戦は来年4月4日を予定しているが、両陣営の交渉次第では期日が早まる可能性も。また、開催場所、ジャッジ構成についても今後の交渉によって決定されるという。
 この発表を受け、ヨネクラジム側は「くま−阿部戦に関しては、今回の処置には納得している。ただ、今後とも問題判定をチェックする“審査委員会”設置等の提案(下記参照)などは続けていきたい」とコメントしている。

 *「ヨネクラジムからは、JBC内にマスコミ代表などの第三者を交えた「査問委員会」を設置し、その場でビデオ検討、審判員の処分などを行う機関とするよう、提案いたします。 ボクシング界全体のために、二度とこのような問題が起きないようなシステム作りを進めて頂くよう、強く要望いたします。JBCの皆様の良識あるご決断を期待しております。」(ヨネクラジム「声明文」より)

 BOX ON! 国内ニュース(12月22日)

エディ賞に川島トレーナー
 今年のエディ・タウンゼント賞にヨネクラジムのベテランKAWASHIMA TRAINER YONEKURA.JPG - 8,589BYTES・トレーナー、川島利彦氏(61歳)が選ばれた。エディ・タウンゼントを偲ぶ会(田辺清会長)は21日夜、恒例のエディ賞選考会を開き、14回目となる今年のエディ賞に川島氏を選んだもの。同氏はヨネクラジム設立直後に選手として入門し、引退後の1977年からトレーナーとして後輩の柴田国明、ガッツ石松の両世界チャンピオン他多くの選手のトレーナーを務めてきた、同ジムの縁の下の力持ち的存在である。
 表彰式は2月9日後楽園ホールのリング上で執り行われる予定。

 BOX ON! 国内ニュース(12月22日)

問題ジャッジのライセンス剥奪も要求
 判定不服のヨネクラジムがJBCに強硬抗議
 14日福岡県・宗像ユリックスで行われた日本フェザー級タイトルマッチは王者大之伸くま(越本スポーツ)が挑戦者阿部元一(ヨネクラ)に判定勝ちして王座を守ったが、これに対し「不当判定」と受け止めた敗者側が猛烈な抗議を行っている。この種の判定トラブルで敗者側が「再戦要求」を掲げてコミッションに提訴するケースは珍しくないが、今回はこれに加えてジャッジのライセンス剥奪まで求めるという過去に例のない強硬なものだ。
  ヨネクラジム(米倉健司会長)は日本ボクシングコミッションに対し15日付で抗議文を提出したが、さらに19日には「声明文 及び提案」と題する見解をコミッションに提出し、マスコミにも公表している。この中で「ボクシングというスポーツの本質を否定するもの」として糾弾し、また今回の問題に限らず、今後不当判定根絶のためにJBC内に第三者のメディアも含む査問委員会を設置し、審判の処罰も決定するよう提案している。

 BOX ON! 国内ニュース(12月22日)

強い西軍の象徴 沖縄の前堂がMVP獲得
逆転勝ちの大村に敢闘賞 技能賞は大場が獲得
 第50回全日本新人王決定戦(東西ZENNIHON SHINJINOH 2003.JPG - 27,300BYTES対抗)は21日後楽園ホールで行われ、棄権のバンタム級を除く10階級で熱戦が展開された(右写真:各級優勝者たち)。注目のフェザー級は沖縄のサウスポー前堂真人(具志川)がファイタースタイルで右フックを叩きつけてプレスをかけ、対する円谷篤史(アベ)もワンツーを打ちながらサークリング。両者、好打をヒットし合う熱戦を展開したが、次第に前堂の圧力が勝り始め、3−0の判定勝ち。前堂は晴れてMVPを獲得した。
 S・フライ級も激闘。西のMVP児玉卓郎(岐阜ヨコゼキ)のワンツーを浴び大村彰二(トクホン真闘)は初回に痛烈なダウンを奪われたが、粘り強く反撃しながらピンチを脱出するや、2回には左フックからの連打でスタンディングカウントを聞かせる。その後も激闘を押し気味に進めた大村が6回、終了まで7秒を残してレフェリーストップ勝ちした。
 もうひとつ注目のS・フェザー級全勝対決は、西の吉澤祐規(森岡)が東のMVP方波見吉隆(伴流)から2回にダウンを奪い、後半相手の反撃をかわして判定勝ちした。
 今回は波乱含みで、東西両MVPが敗れMAEDOU TSUBURAYA 031221.JPG - 10,544BYTESた他、技能・敢闘賞組も続々敗退。三賞組では西軍技能賞の大場浩平(スペースK)のみが勝ち再び技能賞を手にした。今回の三賞はMVP・前堂真人(左写真右)、技能賞大場浩平、敢闘賞・大村彰二。今年は西日本勢の活躍が目立ち、東西対抗の結果は西軍が6−5(不戦のバンタム級含む)で東軍を下し、通算成績を5勝40敗5分とした。


●試合結果(試合順)
▽L・フライ級
 依田 有矢(ワタナベ)
  判定6回
 岡田 正継(グリーンツダ)

▽フライ級
 大場 浩平(スペースK)
  判定6回
 山中  力(帝拳)

▽S・フライ級
 大村 彰二(トクホン真闘)
  TKO6回2分53秒
 児玉 卓郎(岐阜ヨコゼキ)

▽バンタム級
 松原 拓郎(天熊丸木)
  不戦勝
 下田 昭文(帝拳)

▽S・バンタム級
 塩谷  悠(川島)
  判定6回
 結城 建一(森岡)

▽フェザー級
 前堂 真人(具志川)
  判定6回
 円谷 篤史(アベ)

▽S・フェザー級
 吉澤 佑規(森岡)
  判定6回
 方波見吉隆(伴流)

▽ライト級
 中森  宏(平仲ボクシングスクール)
  KO2回3分4秒
 加藤 大和(船橋ドラゴン)

▽S・ライト級
 飯田 聖州(三松スポーツ)
  KO2回1分5秒
 山中 直樹(稲毛)

▽ウェルター級
 坂田  章(ヨシヒロ)
  判定4回
 松元 慎介(進光)

▽ミドル級
 清田 祐三(フラッシュ赤羽)
  判定6回
 江口 啓二(姫路木下)

 BOX ON! 国内ニュース(12月22日)

「新・浪速のロッキー」亀田44秒デビュー
 鳴り物入りでプロ転向したルーキー亀田興毅(グリKAMEDA KOHKI 031221.JPG - 5,950BYTESーンツダ)が21日大阪市中央体育館のフライ級6回戦でデビュー。デンナロン・シスソバ(タイ)を初回僅か44秒でノックアウトする幸先いいスタートを切った。
 この試合17歳のルーキーは超満員のファンが守る中開始ゴングと同時にコーナーに突進してシスソバに襲い掛かり、左右連打。タイ選手は一発も手を出さないまま猛攻にさらされ防戦一方。1分もたたないうちにダウンし立ち上がったところですぐKOを宣告された。勝った亀田は早速「今回は秒殺と言ってたんで次は自分のボクシングがわかるように2回でKOする」「世界戦まではケンカや」などとビッグマウスぶりを見せた。また「前代未聞の1千万円」といわれるファイトマネーについては「オヤジに全部渡します」と語っていた。
 亀田三兄弟の長兄・興毅は元社会人全日本チャンピオン。グリーンツダジムでは元祖「浪速のロッキー」赤井英和に次いで「新・浪速のロッキー」として売り出すつもりだ。


高山はKO再起
 セミフアイナルの8回戦では、日本ミニマム級3位の高山勝成(グリーンツダ)がサミー・ツインジム(タイ)に3回1分23秒TKO勝ちし、日本王座挑戦に失敗した後の再起戦ならぴにジム移籍第一戦を飾った。この回に右アッパーを決めてサミーをダウンさせ、ストップ勝ちしたもの。次の試合は2月15日に予定されている。
 

 BOX ON! 国内ニュース(12月21日)

前田、80秒で3階級制覇!
 日本ウェルター級暫定王座決定戦、相原を初回KO
 20日夜後楽園ホールで行われた日本ウェルターMAEDA-AIHARA 031220.JPG - 11,725BYTES級暫定王座決定戦で、1位前田宏行(角海老宝石)は2位相原一隆(HS山上)を初回あっさりKO。これでライト、S・ライト級に続く日本王座3階級制覇(史上2人目)に成功した。
 正味80秒の戴冠劇だった。「やる前からかみ合うと思っていた」と言う前田が、早々に左フックで相原をばたつかせる。攻勢に出た前田は、相原の右ストレートに左フックをカウンターしダウンを奪う。立ち上がった相原に息つく間を与えず、連打をかけてまたも倒した。レフェリーはノーカウントで終了、前田が2度目の3冠挑戦を実らせた。「“暫定”の文字を消したい」と新王者。眼疾で休養中の正規王者・小林秀一(レパード玉熊)との統一戦は4月に予定されるチャンピオンカーニバルで。


前王者渡辺、KO再起

 この日のセミには、前日本S・バンタム級王者の渡辺純一(5位=WATANABE IKEDA 041220.JPG - 8,347BYTES楠三好:写真左)が登場し、池田光正(花形)に4回2分40秒でKO勝ち。これは6月に中島吉謙(角海老宝石)に敗れ王座を奪われて以来の再起戦だった。3回まで池田の右を食い、善戦を許していた渡辺だったが、この回ブレーク後の一瞬をつき左ストレート。ダメージを受けた池田に左ストレート、右フックとたたみかけ、スタンディングカウントを聞かせる。レフェリー「まだ出来た」と池田は試合後訴えたが、レフェリーがストップした。会心にはほど遠い出来とはいえまずは再起戦をモノにした渡辺、次は地元甲府で東洋挑戦を希望している。
 また、日本L・フライ級2位の宮城誠(帝拳)は古川敬介(全日本パブリック)と対戦。1、2回と左でダウンを奪い、粘る古川のボディーを叩いて6回TKOした。過去に負けている畠山昌人(同級王者=札幌協栄赤坂)にタイトル戦で借りを返すつもりだ。

 BOX ON! 国内ニュース(12月18日)

 名護、再起2戦目は61秒
  山中、嘉陽の白井・具志堅ホープもKO勝ち
 18日後楽園ホールのセミにて、元世界挑戦者の名護明彦(全日NAGO 031217.JPG - 16,413BYTES本パブリック)がヨックタイ敗戦(4月)からの再起2戦目に臨み、初回1分1秒KO勝ちした(右写真)。ルークガイ・シッスーイ(タイ)が左で入ってきたところに右をかぶせて倒し、テンカウント。単発になりがちの左を課題としていた名護は、試す前の決着に少し残念な表情。だが「世界に行くために自分に必要なものがわかり、練習している」と語り意欲的だ。次戦は3月頃になるという。
 この日のメインは、日本S・フライ級8位の山中大輔(白井・具志堅S)がアーマド・ファンディ(インドネシア)に、61秒でKO勝ち(下写真)。ウェイトオーYAMANAKA 031219.JPG - 15,157BYTESバーでグローブハンディを課せられたファンディは、31歳(公表)とはとても思えない老体。顔を両腕で覆ったままで、山中のワンツー、左フックに後退し、ガードの上からのワンツーでうつ伏してしまった。カウントを数えながらも福地レフェリーが起きるよう促したほどだったが、そのまま。場内からは失笑も漏れ、ある観客は「役者だねぇ」と呟いていた。試合後「今日の相手じゃ……すみません……」と語った勝者山中の姿は痛々しかった。来年はS・バンタム級ランカーと対戦、タイトル獲りに乗り出す。
 また、山中、金田淳一朗(日本ミニマム級9位)と出世争いをする同僚・嘉陽宗嗣(同L・フライ級3位)はサムヨット・ウォルソラポン(タイ)を3回KO。キレ良く踏み込み左右で圧倒。応戦してきたサムヨットに見事な左ストレートをカウンター、カウントアウトした。前戦を苦戦し、「ぶっ倒す」と意気込んでの試合だったが、テーマとした基本をなぞっての勝利に笑顔を覗かせた。
 

 BOX ON! 国内ニュース(12月17日)

吉野、またもや完敗…
ランカー板垣に0―3判定で破れる
 16日、後楽園ホールで行われた10回戦にYOSHINO-ITAGAKI.JPG - 13,269BYTES登場した元日本&東洋ウェルター、日本S・ウェルター級王者吉野弘幸(野口=現に本ミドル級7位)がS・ウェルター級5位の板垣俊彦(木更津グリーンベイ)に0―3の判定で敗北。区切りの50戦目を白星で飾ることはできなかった。
 “伝家の宝刀”左フックは空を切り、同時に板垣の右を被される。
左ジャブで顔面を何度も何度も弾かれ、それでも気合いで飛び込むと、そこへ左フック、ワンツー。ボディーを叩くものの、追撃はやはり空振り。自らバランスを崩して前方へつんのめる様、かつては強打でならしたタメ打ちも、切れ、質ともに見る影もない。勝者・板垣も「あんな状態の吉野さんに勝ったって、自慢にならない」と寂しげな表情を浮かべた。
 ポイントは99―94(×2)、98―95と三者とも板垣に軍配。顔中にどす黒いアザをつくってしまった吉野は、試合前のスパーで胸骨を痛めていたという。「ケガのことを潜在的に気にしてしまって、踏み込みも躊躇してしまった。そんなことはこれまでになかったこと。そういう意味で今日は本当にショック。本当のところは辞めたいです。恥ずかしくて……」(吉野)
  現役最多試合数を誇る吉野はこれで荒木慶大(泉北)戦、ドンドン・スルタン(フィリピン)戦に続き3連敗。8日に引退試合を行った大東旭(大鵬)もそれが50戦目だったが、はたして――。 
 

 BOX ON! 国内ニュース(12月16日)

協栄の3トップ、揃って勝利
  佐藤、坂田で来春ダブル世界戦も
 15日後楽園ホールには協栄ジムの世界戦略トリオが一SATO-LEE 031215.JPG - 13,605BYTES挙登場、それぞれ順当に勝利した。メインを張った元WBA・S・バンタム級王者の佐藤修(現5位・WBCフェザー級15位)は韓国フェザー級3位の朴大京とフェザー級超10回戦で対戦。初回、左フックを上に放ってからボディーに送り大柄な朴をダウン。続く二回も左ボディーで後退させ、最後は右ボディーアッパーで倒し、ノーカウントで試合終了。タイムは2分19秒。7月に再起1戦目をヨックタイと分け、「久々に勝つ感触を思い出した」と佐藤。もう少し長いラウンドをこなしたかったようだが、いつもより重い体重でのテストマッチ快勝に、陣営は世界へゴーサイン。ターゲットはWBAフェザー級王者クリス・ジョン(インドネシア)だ。世界復帰を期す佐藤の露払いは、世界初挑戦を視野に入れる日本フライ級王者の坂田健史が務めた。3SAKATA ITOH 031215.JPG - 10,424BYTES位伊藤克憲(角海老宝石)との2度目の防衛戦。ガードを固めて終始アグレッシブな挑戦者のフック攻撃に対し、坂田は時に後退しつつも忙しく左ジャブ、左アッパー。随所に派手な左ボディーも決めポイント奪取し、ラストは連打で攻め込み判定勝ち。金平桂一郎会長によればこちらも試験合格、これで日本タイトルは返上、カーニバルを辞退して世界に備えるという。正月3日のWBC戦(ポンサックレック―中沼)の結果次第とのことだが、CとAどちらでも挑む気構えだ。なお、金平会長は来春に佐藤と坂田でダブル挑戦も示唆している。また、協栄トリオの残る一人、日本バンタム級王者のサーシャ・バクティンはセミで同SASHA-KIJIMA 031215.JPG - 12,292BYTES級6位の木嶋安雄(角海老宝石)をV2戦に迎えた。この試合は本来10月開催だったが、サーシャの右拳の骨折で延期したもの。開始から左ジャブをビシビシと刺したサーシャだったが、頭を低くし左ボディー狙いの木嶋を持て余し気味の判定防衛。ブランクの影響は本人も認め、「とりあえずもっと試合間隔を詰めていきたい」とジム側。拳のケガも問題はなく、次戦は1位熟山竜一(JM加古川)とカーニバルで再戦する。
 

 BOX ON! 国内ニュース(12月16日)

ヨネクラジムが抗議文提出
 大之伸vs.阿部戦の“不当判定”に対して
 14日に行われた日本フェザー級タイトルマッチ、ABE KUMA AFTER 031215.JPG - 12,669BYTES大之伸くま(福間スポーツ)vs.阿部元一(ヨネクラ)の採点(3─0で大之伸の王座防衛)に対し15日、ヨネクラジムがJBC(日本ボクシングコミッション)に抗議文を提出した。
 試合は初挑戦に意気込む阿部が初回から右ボディーを主体にペースを掌握。大之伸も打ち下ろしの左、右フック、アッパーなどで対抗したものの、阿部の手数、クリーンヒットが上回っていたように思われた。しかし、採点結果は牧角健次郎ジャッジが98─95、大藤隆幸ジャッジは97─94、福本元秋ジャッジは100─92でいずれも大之伸勝利を支持。
 この判定に到底納得できないヨネクラジムは、厳重に抗議するとともに、次の3点を要求している。1.3ジャッジのサスペンド、福本ジャッジに関してはライセンス剥奪  2.日本ボクシングコミッション発行『広報』の戦評において、「判定に疑問が残る」等の文面を入れる  3.この試合の即再戦を早急に指示する

「誤審等、レフェリーに対するサスペンドはこれまでにもあったが、ジャッジに対してのそれは、前例がないのでは」と林隆治ヨネクラジム・マネジャー。
 選手、レフェリーがサスペンドされることはしばしばだが、ジャッジングに関しては全くない。選手生命、時には実際の生命をかけて戦う選手の心意気に比べ、試合に臨むジャッジにも相応の準備が必要不可欠ではないか……。
 度重なる“不当”、“地元”判定に対して、くさびを打ち込む意図もあるようで、今後のJBCの対応に注目したいところだ。

 BOX ON! 国内ニュース(12月15日)

大之伸「負けていた…」
  V3成功も、また論議必至
  大奮闘の挑戦者・阿部、判定に泣く
  14日、福岡県・宗像ユリックスで行われた日本フェザKUMA ABE 041214.JPG - 12,707BYTESー級タイトルマッチは、チャンピオンの大之伸くま(福間スポーツ)が挑戦者・3位の阿部元一(ヨネクラ)を3―0の判定で下し3度目の防衛に成功した。
 しかし、試合は立ち上がりから阿部のペースで進行。右ストレートをボディーに叩き付けて、「計量後の調整に失敗した」大之伸を辟易させると、さらに今度はその右で再三、王者の顔面を跳ね上げた。
「ボディーは全ラウンド通じて効いた」と大之伸。しかし、驚異的な手数に圧倒されながらも、大之伸の精神的なスタミナも尋常ではなく、阿部の攻撃の間隙を突く左ストレート、右フックも時折ヒットした。
 両者ともにがっちり噛み合った好勝負だったが、阿部が上回った感が強く、何より大之伸自身も「僕が負けてました。取ったラウンドは全然なかった」。しかし、判定の結果はジャッジ牧角98―95、ジャッジ大藤97―94、ジャッジ福本100―92でいずれも王者の防衛を支持した。しかし、それにしても大之伸のフルマークとはやりすぎではないか?
“あり得ない”判定結果に、駆け付けた阿部の大応援団ばかりか、九州のボクシングファンまでも紛糾。場内は長い間騒然としていた。
「こっちのファンたちが『阿部、勝ってたぞ』って支持してくれたことだけが救い」と阿部。この試合の勝者にカーニバルでの挑戦が決まっているトップコンテンダー榎洋之(角海老宝石)も会場で観戦。
「阿部が勝っていた。でもどっちも強い選手で、いい勉強になりました」というコメントを残している。
 また、世界再挑戦を目ざす越本隆志(福間スポーツ)はタイS・フェザー級10位のラタナサック・サクダウイに4回、2度ダウンを与えてTKO勝ちしている。

 BOX ON! 国内ニュース(12月15日)

福島−ヨックタイ戦、もう一度!
来年2月21日、後楽園ホールで 
 6日夜後楽園ホールの試合で元世界S・フライ級王者ヨックタイ・シットオー(タイ)と対戦し10回引き分けに終わった福島学(JBスポーツ)が、来FUKUSHIMA YOKTHAI-2  031206.JPG - 13,016BYTES年2月21日、同じ後楽園ホールのリングでヨックタイと再戦することが決まった。高橋直人JBスポーツクラブ会長が10日明らかにしたもの。
 タイトル戦ならともかく、この種の引き分けに終わった試合で再戦が組まれるのは珍しいが、高橋会長は「けじめをつけなくてはならない。福島にとってヨックタイはやりにくい相手ではあるけれど、あれぐらいの相手に勝たないようでは、もう一度世界なんて言えないですから」と例によって強気の弁。そういえば高橋会長の現役時代の師匠、故・阿部幸四郎会長も強気のマッチメークで有名だった人。金沢和良−ルーベン・オリバレス、高橋直人−ノリ・ジョッキージムなど、強敵に教え子をぶつけた上で再戦というケースが何度もあった。

 BOX ON! 国内ニュース(12月13日)

刈屋がランカー速水を破る
 12日、後楽園ホールでライト級10回戦が行われ、元日本S・フェザー級ランカー刈屋貴憲(新日本仙台)がライト級4位速水美成(帝拳)に判定勝ち。再ランク入りを決定づけた。やや左腕を下げた刈屋は変則的なリズムで序盤を制す。ジャブをスウェーでかわしリターンでヒット。また広いスタンスから踏み込み左ボディーをダブル、右につなげて快調に飛ばした。中盤になってスタミナ不安からか速水にボディーを狙われ失速したが、クリンチ際にパンチをまとめる“巧者”ぶりを披露。速水にペースをさらわれそうになったものの踏ん張り、駆けつけた応援団の期待に応えた。「ランクを失った元吉真三(角海老宝石)戦は油断から。何でもいいからベルトが欲しい」と試合後の刈屋。S・フェザー、ライト級どちらでも、チャンスのある方で勝負をするつもりだ。

 BOX ON! 国内ニュース(12月12日)

迫力満点!
本望vs.リナレスのスパーが実現

 日本S・フェザー級チャンピオン、本望信人(角海老宝石HONMO RINALEZ.JPG - 12,959BYTES)と“ベネズエラの至宝”ホルヘ・リナレスがスパーリングで激突。12月9日、11日と角海老宝石ジムで各5ラウンドずつ行われ、火の出るような激しい攻防が展開された。
 10月に東洋太平洋S・バンタム級王者ペドリート・ローレンテ(フィリピン)に圧勝し、最新ランキングではWBC15位に顔を出したリナレス。スパーでも日本のトップ選手を圧倒しており、「中々スパー相手が見つからない」(本田明彦・帝拳ジム会長)ということから、試合間近で臨戦体制万全の本望にこれを依頼。本望側が快諾して実現した次第だ。
 肝心の内容はというと、スピードあふれるリナレスのワンツーを、本望が鉄壁のガード、パーリングで防ぎ、得HONMO RINALEZ 1.JPG - 12,814BYTES意のジャブ主体にリナレスの打ち終わりを狙うという展開。本望のジャブがヒットすれば、リナレスもジャブと鋭い右を連発。片方のブローがヒットすれば、すぐさま反撃してヒットを奪い返す、ハートのこもったハイレベルな攻防が繰り広げられた。
「10月の試合以降、初めてのスパー」(リナレス)ということから、まだ本調子でないとはいえ「スピードはメチャクチャ速いし、末恐ろしい」と本望も感心しきり。同行したリナレスの田中繊大トレーナーも「力みもあったので20点のデキ」……。
 本望もディフェンス・マスターぶりを存分に発揮しHONMO RINALEZ 2.JPG - 12,592BYTESたが、あらためてリナレスの潜在能力の高さを感じさせるスパーであった。
 なお、本望は1月10日後楽園ホールで、チャンピオン・カーニバルのオープニング・カードとして1位のコウジ有沢(草加有沢)と4度目の防衛戦。また、リナレスは1月24日に地元ベネズエラで凱旋マッチ。元WBAフライ級王者のウーゴ・ソト(アルゼンチン)とラテンアメリカ王座をかけて激突する。

写真中: 本望のボディーストレートがヒット
写真下:リナレスも負けじと左で本望のガードを割る

 BOX ON! 国内ニュース(12月11日)

榎が18連勝マーク
  タイのアヌラックを4回KO
 チャンピオンカーニバル出場を来春ENOKI KO ANURAC 031210.JPG - 13,949BYTESに控える日本フェザー級1位・榎洋之(角海老宝石)が10日後楽園ホールで行われたフェザー級10回戦に出場。タイのアヌラック・タマチャードから4回に2度のダウンを奪い2分42秒KO勝ち、無難に「前哨戦」に快勝し、レコードを18勝14KO不敗1引き分けとした。榎は24日に福岡で予定される日本同級王者大之伸くま(福間スポーツ)−3位阿部元一(ヨネクラ)戦の勝者に挑戦することが決まっている。
 この日の榎は力強い左ジャブと重い右ストレートで、タフなアヌラックをプレス。「倒れないのを無理に行ってもダメ」と試合後に語ったように、力みのない左フックでアヌラックをダウン。立ち上がった相手を再度マットへ送り、タオル投入を呼び込んだ。
 セミでは、S・フェザー級の小堀佑介(角海老宝石)が5位の篠崎哲也(高崎)と対戦。くっついてボクシングを容易にはさせてくれない試合巧者に、逆ワンツーや右アッパーで渡り合って判定勝ち。念願のランク入りを決定付けた。また、バンタム級8位の若尾健吾(角海老宝石)は相馬寿明(ワタナベ)と初10回戦を経験。中盤に左ジャブが出ず押し込まれたものの、3回には右ストレートでダウンを奪い判定勝ちしている。ちなみにこの日は行われた8試合全てに角海老宝石の選手が出場して全勝、“角海老”デーとなった。
 

 BOX ON! 国内ニュース(12月8日)

新井田逆転KO勝ち
 ダウン喫し満点とはいかず
 7月かつて保持していたWBAミニマNIIDA KO PARANTCHAI 031208.JPG - 10,699BYTESム級王座に挑戦し惜敗した新井田豊(WBA9位=横浜光)が、8日後楽園ホールで復帰戦を行い、5回TKO勝ちした。ただ、タイ同級1位パランチャイ・ソーウォラピンに、ダウンを奪われるなど攻勢も許して必ずしも満点再起とはいかなかった。
 初回、ラフなフックを飛ばすパランチャイの左フックで新井田はダウン。このダメージはさほど無かったが、2回には合い打ち後の左フックを食らいロープに腰を落とし、一瞬ヒヤリ。それでも新井田のパワフルな攻撃は健在で、左ボディーフックを何発も叩きつけ、タイ人を弱らせていく。4回に右を決めストップ寸前に持っていき、5回に左ボディーを連打して最後も左フックで倒し返し、レフェリーがストップした。タイムは2分55秒。「(上の階級とのスパーで)パワーがついたのは実感するが、強引に行き過ぎた」と試合後に反省の弁も。


カーニバル出場予定の3選手
林田、稲田、木村とも勝つ
 この日のセミは因縁の再戦。WBC・HAYASHIDA EBISUOKA 031208.JPG - 10,321BYTESL・フライ級5位の林田龍生(渡嘉敷)が5月に薄氷の勝利を得た戎岡淳一(日本ミニマム級5位=明石)とL・フライ級10回戦に臨み、またもフルラウンンドを戦って判定勝ちした。前回、戎岡の右アッパーに苦戦を強いられた林田。3回から右ストレートで先手を奪い、ポイントを稼ぐ。終盤9回、戎岡も右ストレートでカウンターを決めて効かせたが追いつけず。
 また、チャンピオンカーニバルでライト級王者・嶋田雄大(ヨネクラ)に挑む1位INADA TKO FUMOTO.JPG - 11,260BYTES稲田千賢(帝拳)は、前進し潜り込もうとする麓健介(6位=横浜光)に距離を詰められ思わぬ苦戦。アッパーで麓の目を切り裂いてドクターがストップ、8回1分33秒TKO勝ちしたものの、決して完勝ではなかった。回に右を決めてダウンを奪ったものの、仕留め切れず。「快勝しなくてはいけない試合でしたが・・」と悔しがっていた。
 その他、これもカーニバルでS・ライト級王者の江口慎吾(大橋)に挑む1位・木村登勇(横浜光)がチェックビル・タマチャート(タイ)を相手に前哨戦。目をカットした木村はやや大振りもあったが、独特の左ストレート、右フックを上下に放ち、4回29秒に連打でTKOしている。

 BOX ON! 国内ニュース(12月8日)

中島に初の月間MVP賞
 東日本ボクシング協会選定の11月度の優秀選手選考会が8日開かれ、日本S・バンタム級王者中島吉謙(角海老宝石・25歳)にMVPが贈られることが決まった。15日の初防衛戦で世界ランカー金井彰廣(大鵬)の挑戦を逆転KOで撃退した一戦が評価されたもの。6月の王座獲得戦に次ぐ2度目の同賞受賞である。
 同じく敢闘賞は、強打の真鍋圭太(石川・24歳)が受賞。5日のS・フェザー級10回戦で同じランカーの技巧派・下田賀彦(駿河)をKOした。また新鋭賞には、25日のS・フェザー級8回戦で御船シュート(八王子中屋)を相手に戦慄的KO勝ちを飾った竜宮城(沖縄ワールドリング・28歳)が選ばれた。
 中島らの表彰式は20日後楽園ホールのリング上で行われる。

 BOX ON! 国内ニュース(12月8日)

浪速の元王者・大東引退
ラストファイトはTKO勝ち
 元日本J・ミドル(S・ウェルター)級チャンピオンの大東旭(大鵬)が8日夜、大阪府立体育会館で最後の試合に臨み、タイのサイシーレック・チOHHIGASHI 031208.JPG - 4,593BYTESョーチャンタンヤカーンを5ラウンドでストップ。試合後のリング上で執り行われた自らの引退セレモニーに花を添えた。
 試合は3回、4回とタイ選手のストレートを浴びる不安定なものだったが、5回にパワフルな連打でサイシーレックをグラつかせ、レフェリー・ストップを呼び込んだ。
 大東(33歳)はこの日でプロ50戦。39勝目(27KO8敗3分)をあげたばかりのリング上でテン・ゴングに送られると、「あいさつの言葉をいろいろ考えてみたが、思い当たらなかった。ただ、ひとりひとりのみなさんに本当にありがとうといいたい。これからもありがとう、毎日ありがとうという気持ちで一杯です」と語り、ファンの拍手を浴びて16年にわたるリング生活に別れを告げた。

 BOX ON! 国内ニュース(12月7日)

大中無念、初回TKO負けで無冠・・
 山口の東洋太平洋ミニマム級タイトル戦 マヨールの強打に沈む
 7日、山口県周南市の徳山大学体育館で行なわれたOPBF(東洋太OHNAKA FACE.JPG - 5,383BYTES平洋)ミニマム級タイトルマッチで王座交代−−。地元のチャンピオン大中気(新日本徳山:写真)は指名挑戦者ロデル・マヨール(比)のダイナミックな攻めに圧倒されて初回2分49秒TKO負け。初防衛はならなかった。マヨール(15勝12KO無敗)のあまりの強さに大中は「モノが違った」とかえってサバサバ。

日本3位足立が判定負け
 同じリングで行われたスーパー・ライト級10回戦では、大中と同門の松宮一之が同級3位のベテラン足立浄(ハラダ)をアウトボックスして判定勝ちし、初のランク入りを確実にした。

 BOX ON! 国内ニュース(12月7日)

福島−ヨックタイ分く
老獪なタイの元王者と接戦
 6日後楽園ホールで行われたS・バンタム級FUKUSHIMA YOKTHAI 031206.JPG - 12,791BYTES10回戦、8月に東洋太平洋S・バンタム級王座を追われた福島学(JBスポーツ)が再起戦でWBAバンタム級5位ヨックタイ・シットオー(タイ)と対戦する冒険を試みたものの、結果はドローだった。
 今年の試合をすべて後楽園ホールで戦うことになったヨックタイ(28歳)。名護明彦に判定勝ち、佐藤修と引き分けて迎えたこの日も、随所に元世界王者らしい試合巧者ぶりを見せた。左フック、右アッパーをうまく決め、前半を優勢に進めた。福島も足を使って変則的な動きでかわす作戦。6回に偶然のバッティングで左目上をカットし、鼻血にも苦しんだが、終盤やや疲れを見せるヨックタイに右ストレートをしばしば好打。しかしベテラン元王者も譲らず、接戦のままゴング。3ジャッジのスコアは、山田副審が97−96でヨックタイの勝ちとしたものの、残る島川、福地の両副審が96−96としたため、引き分けに。「もっと右を打ちたかったが(ヨックタイが)予想以上にプレッシャーが強くて・・。くっついた時にレフェリーに隠れて肩で押したりと、うまいボクシングをされた」と、相手の老獪さに感心した福島(29歳)。それでも判定については「うちは判定に弱いジムなんで、(ドローは)公平だったと思います」、ラッキーな引き分けではなかったと主張した。「生き残ったとはいえ、勝てなくて悔しい・・」とこれは高橋直人会長のコメント。


矢代、粟生の2ホープKO勝ち
 前座にはマルコ・アントニオ・バレラの米国キャンプにAWOU 031206.JPG - 12,255BYTES参加していた帝拳の2ホープが登場。いずれも鮮やかなKO勝ちを飾っている。元高校6冠の粟生隆寛(右写真右)は佐梁孝志(広島三栄)とフェザー級6回戦を戦い、初回2分26秒KO勝ち。フリッカー気味の右ジャブを放ち、鋭く踏みこんで左ストレート。相手を3度ダウンさせ、手玉に取った。続いてフェザー級8回戦に出場した矢代義光(下写真右)は、大西仁(塚原京都)が入ってきたところに左ショートのストレート。たまらずダウンした大西が立ち上がったと同時にカウントアウト、こちらは2回2分41秒で倒した。
 その他、セYASHIRO 031206.JPG - 11,667BYTESミでは王座再挑戦を狙う日本S・フライ級2位結城康友(ヨネクラ)が元に階級日本王者の横山啓介(JBスポーツ)を4回47秒でTKO。3回、前に出てくる横山を逆にロープにつめて右アッパーを連打、左目をふさぐ。一方的になった試合をレフェリーが続行不能と判断、ストップしている。

 BOX ON! 国内ニュース(12月6日)

チャンピオンカーニバル・カード決まる
大物石井が挑戦(S・バンタム級) 4階級で世界ランカーが挑む
 第25回チャンピオンカーニバC-CARNIVAL 031206.JPG - 15,726BYTESルの概要が決まり、5日日本プロボクシング協会のチャンピオンカーニバル運営委員会(長嶋清委員長)から発表された。スタートは1月10日後楽園ホールの本望信人−コウジ有澤の日本S・フェザー級戦となる。
 この催しは、全13階級の日本チャンピオンに年明け最初の防衛戦で最上位挑戦者との対戦を義務づけるもので、日本ランクよりも世界ランカーが優先されるため、今回も4カードで挑戦者コーナーから世界ランカーが登場する。一番の大物挑戦者はS・バンタム級で3度世界挑戦を経験した石井広三(下写真右)で、引退を撤回して日本王座奪回を狙う。挑まれるチャンピオンの中島(同左)は「石井選手が格上なので、挑戦者のつもりで戦います」と決意表明した。ライト級も好カードで、帝拳のホープ稲田千賢が試合巧者のチャンピオン、嶋田雄大に挑む一戦も好カード。稲田は来週月曜日(8日)に試ISHII NAKAJIMA 031206.JPG - 10,281BYTES合を予定しているため、この日の発表会を欠席した。受けて立つ嶋田は「僕自身とても試合を楽しみにしています」と余裕のコメントを残した。
 坂田(フライ級)、バクティン(バンタム級)、大之伸(フェザー級)の3王者は今月防衛戦を予定しており、結果を待ってカードが確定する。負ければ当然新チャンピオンが下記の最上位挑戦者と対戦する。またウェルター級は王者小林が眼疾で長期療養を余儀なくされたため、今月前田(1位)−相原(2位)で暫定王座決定戦が行われる。従って勝者はカーニバルで小林とのチャンピオン統一戦に臨むことになっている。

チャンピオンカーニバル決定カード(一部予定)
☆ミニマム級(2月9日)  
 c小熊坂 諭(新日本木村)−松本博志(小倉高橋)WBAM
☆L・フライ級(2月16日)
 c畠山 昌人(協栄札幌赤坂)−林田 龍生(渡嘉敷)WBCD
☆フライ級(2月16日)
 c坂田 健史(協栄)−中野 博(畑中)WBCH
  *坂田は12月15日5位の伊藤克憲(角海老宝石)と防衛戦あり
☆S・フライ級(2月8日)
 c川端 賢樹(姫路木下)−プロスパー松浦(国際)A
☆バンタム級(3月15日)
 cサーシャ・バクティン(協栄)−熟山竜一(JM加古川)@
  *サーシャは12月15日6位の木嶋安雄(角海老宝石)と防衛戦あり
☆S・バンタム級(4月予定)
 c中島 吉謙(角海老宝石)−石井 広三(天熊丸木)WBAL
☆フェザー級(期日未定)
 c大之伸くま(福間スポーツ)−榎 洋之(角海老宝石)@
  
*大之伸は12月14日福岡県宗像郡で4位阿部元一(ヨネクラ)を相手に防衛戦あり
☆S・フェザー級(1月10日)
 c本望 信人(角海老宝石)−コウジ有澤(草加有澤)@
☆ライト級(3月予定)
 c嶋田 雄大(ヨネクラ)−稲田 千賢(帝拳)@
  
*稲田は12月8日に試合予定あり
☆S・ライト級(4月3日)
 c江口 慎吾(大橋)−木村 登勇(横浜光)@
☆ウェルター級(4月17日)
 c小林 秀一(レパード玉熊)−相手未定
  
*12月20日行われる前田宏行(角海老宝石)−相原一隆(H・S山上)の暫定王座決定戦の勝者と、チャンピオン統一戦の予定
☆S・ウェルター級(2月24日)
 c金山 俊治(ヨネクラ)−新屋敷幸春(沖縄ワールドリング)F
☆ミドル級(4月予定)
 c荒木 慶大(泉北)−保住 直孝(ヨネクラ)A

 BOX ON! 国内ニュース(12月5日)

高橋、10連続KO 吉田は小暮を返り討ち
  強打のホープ、高橋巧TAKAHASHI 031206.JPG - 12,974BYTES(ロッキー)がまた倒す−。 4日、後楽園ホールで行われた8回戦で、日本L・フライ級 9位の高橋(写真右)がタイのノーランカー、ポ―ンプラシット・ポースラサックを初回に左フックとボディーで1度づつ、2回にボディーブローで3度倒し、この回2分15秒KO勝ち。昨年度全日本新人王戦での引き分け(敗者扱い)をはさみ、デビュー以来の連勝を10(オールKO)とした。       
  また、セミではS・ライト級ランカーの再戦が行われ、10位の吉田幸治(北澤)が9位・小暮飛鴻(八王子中屋)に78−76、79−76(×2)の3−0で判定勝ち。前戦(9回KO)に続き、雪辱に燃える小暮を返り討ちにしている。

 BOX ON! 国内ニュース(12月4日)

富本衝撃の初回KO負
ノーランカー鮎川の左浴び沈む
 またしてもTOMIMOTO 031203.JPG - 14,728BYTES「ランカー喰い」――。3日、後楽園ホールで行われたS・バンタム級10回戦では、日本王座3度目の挑戦をうかがう2位・富本慶久(国分寺サイトー)がノーランカーの鮎川圭祐(オークラ)に初回KOで敗れる波乱が起きた。脚を使うかと思われたサウスポー富本が右ジャブを放って試合は始まったが、同じく左構えの鮎川に左クロスをかぶせられると、触発されて打ち合いに出る。両者、スリリングなタイミングでパンチを交わしていたが、鮎川の左フックが側頭部に直撃。膝を折って真下にダウン、突っ伏そうする富本をレフェリーが抱え込み、ノーカウントで試合終了。タイムは2分14秒、衝撃の結末となった。「喰ってやろうと思っていた」と言う勝者の控え室は、興奮に沸きかえっていた。

 BOX ON! 国内ニュース(12月3日)

保住、不満の5回KO勝ち
 新鋭・金田は笠松を鮮烈KO
   2日、後楽園ホールで再起2HOZUMI ALFONSO.JPG - 15,975BYTES 戦目に臨んだ保住直孝(ヨネクラ)は、インドネシアのエルビン・マーバンを5回KOに下し、タイトル前哨戦を無事に終えた。
 しかし、保住のデキは良くなかった。完全に半身のスタイルは前戦に引き続いたが、前回見せた重厚かつシャープな左ジャブが出ない。ガードを高く掲げ、大半のブロー は寸断したものの、時折連打を受けてしまった。「緊張感の持てる相手じゃないと気持ちが乗らない。昨日も遊んでしまった」と保住。だが、実力差は歴然で得意の左ボディーを多角的にヒットして5回1分48秒KO勝利。「生活面を改めないとダメですね。また頑張ります」と神妙な表情を浮かべた保住。次はチャンピオン・カーニバルで荒木慶大(泉北)に挑戦する予定だ。
 セミは日本ミニマム級ランカー同士の対戦となったが、9位の金田淳一朗(白井・具志堅スポーツ:下写真左)がキャリアに勝る1KANEDA KASAMATSU.JPG - 15,359BYTES位の笠松広(ヨネクラ:同右)から2回に左ジャブで、3回にワンツーでダウンを与え1分6秒KO勝ち。激闘男・笠松に何もさせない、金田の見事な勝利だった。また、昨年度新人王で現日本S・バンタム級10位の宮将来(ヨネクラ)はノーランクの坪井雄吾(岡崎)に5回1分29秒TKO勝ちし、デビュー以来
11連勝(7KO)を飾っている。

 BOX ON! 国内ニュース(12月3日)

38歳西澤の世界挑戦正式決定!
1月19日豪州でマンディンのWBA王座へ
 WBA世界S・ミドル級王者アンソニー・マンディン(豪)にNISHIZAWA PRESS.JPG - 6,672BYTES対し同級14位の西澤ヨシノリ(ヨネクラ)が挑むタイトルマッチ12回戦が1月19日シドニーに近いウランゴングで挙行されることが正式に決まり、両陣営から発表された。試合の直前の1月11日に38歳の誕生日を迎える西澤は、世界タイトル戦に出場する最高齢日本人ボクサーとしてリングに上がる。「自分の経験をすべて生かして、勝てる試合をするようベストを尽くす。記録とか年齢のことは考えない、”勝てない”とか厳しい意見があるのも知っていますが、自分を信じて頑張る。やりがいがあります」と自分に言い聞かせるように語った。
 王者マンディン(28歳)はラグビーの花形選手からプロ転向し、9月にアントワン・エコルスに判定勝ちし、空位のWBA王座を獲得。西澤戦が初防衛戦となる。19勝14KO1敗。父トニーが往年のミドル級世界挑戦者だったことでも知られる。
 一方世界初挑戦の西澤は24勝12KO13敗5分。
 

 BOX ON! 国内ニュース(12月2日)

杉田、来春2月世界挑戦決定!
 畑中ジムの秘蔵っ子、元日本S・フェザー級王者・杉田竜平(27歳)がSUGITA HATANAKA.JPG - 16,306BYTES来年2月8日、岐阜でWBA世界S・フェザー級王者ヨーサナン・3Kバッテリー(タイ)に挑戦することが今日12月1日、畑中プロモーションから発表になった。
 杉田のヨーサナン挑戦は秋口から噂されていたが、王者がスーパー王者アセリーノ・フレイタスとの統一戦を義務付けられていたために一時は頓挫、しかし、フレイタスがライト級進出に向かったため杉田−ヨーサナン戦が実現の運びとなったもの。
 杉田は畑中ジムのプロ1号。全日本新人王を経て98年には日本王座を獲得。初防衛戦を前に眼疾で王座返上の憂き目もみたが、戦線復帰してこの世界挑戦へと駒を進めた。CBCで行われた記者会見で杉田は「このチャンスを1回でモノにしたい」と抱負を語っている。首尾よくベルトを手にすれば、花形−星野に続く史上2組目の師弟世界王者誕生となる。
 杉田のレコードは25勝21KO1敗2分。ラクバ・シンとの王座決定戦で王座を獲得し、今回が2度目の防衛戦となるヨーサナンはは40勝33KO2敗1分。試合会場は岐阜メモリアルセンター「で愛ドーム」で午後1時前座開始。CBCがテレビ中継する。

 BOX ON! 国内ニュース(12月2日)

豊嶋、金子をKO
  12月1日後楽園ホールで行われたS・フェザー級8回戦は、ノーランクTOYOSHIMA-KANEKO.JPG - 15,188BYTESの豊嶋耕志(ファイティング原田)が日本9位の金子大悟(角海老宝石)を5回KOし、嬉しいランク入りを決定づけた。タイムは2分12秒。右のリードで距離を測りタイミングをとったサウスポー豊嶋が、飛び込んで連打を放とうとする金子に、5回左ストレートを浴びせて一気にダウンを奪い、テンカウント。かねてからランカーレベルの実力者と評価されていた豊嶋によれば、「目的(日本王座)をはっきりと持てた」ことで万全の調整ができたという。 セミでは元SB級ランカーの榮村繁幸(横浜光)がシンウィポン・シスジャポック(タイ)から3度のダウンを奪い2回KO。キャリア2度目のKO勝ち(13勝4敗1分)を飾っている。 

 BOX ON! 国内ニュース(12月1日)

ライカ初防衛!
WIBA世界フェザー級タイトル戦
 30日、東京・六本木ヴェルファーレで行われたRAIKA 031130.JPG - 15,493BYTESWIBA(女子国際ボクシング協会)世界フェザー級タイトルマッチはチャンピオンのライカ(=本名:来家恵美子=山木:右写真右)が前王者のシャロン・アニオス(豪)を2−0の判定で破り、王座の初防衛に成功した。
 昨年12月の王座奪取戦ではアニオスに大苦闘を強いられたライカ。だが、前日の計量に再三失敗の末、ようやくリミットに達したアニオスの不調に乗じ、序盤はライカがアニオスの打ち終わりを捕えて制した。だが、そこはさすが前王者。5回から本来の動きを取り戻し始めたアニオスは、シャープで重いワンツーをクリーンヒットし、ライカをたじろがせる。
 6回にバッティングで左目上をカットしたライカは、時折強烈な右を決めたものの、試合後半はアニオスの手数と技術にやや劣勢を強いられた。
 採点は99−97、98−97と中村、山本両ジャッジはライカを支持。村山ジャッジは99−99のドローと下した。6回のバッティングの際、アニオスは減点1を課せられたため、これが勝敗を左右した形だ。 普段、竹原&畑山ジムでトレーニングに励むライカは「嶋田(雄大=ヨネクラ、日本ライト級王者)さんに左のガードを注意されて、練習した甲斐がありました。理想のKOはできなかったけど、ようやくシャロンと向き合えることができて、その点は満足。できれば世界王座を統一したい」。
 また、セミで行われた日本フライ級タイトルマッチはチャンピオンの八島有美(F・ギャラクシー:右写真左)が挑戦者1位の猪崎かずみ(鴨居:同右)のアウトボYASHIMA 031130.JPG - 14,213BYTESックスに大劣勢。中盤、強引な攻撃で猪崎を追いかけた八島だが、最後まで自分のボクシングはさせてもらえず。だが、採点は99−98で中村ジャッジは猪崎を支持したものの、山本ジャッジは98−97で八島。小林ジャッジは97−97とし、八島の引き分け初防衛となった。
 判定に関して会場からは少なからずブーイングも聞かれ、猪崎も「下がりながらのアウトボクシングが自分の持ち味。それをやっていくらダメージを与えてもポイントにしてくれないのならば、今後どうやって勝てばいいのか聞きたいです」と涙ながらに訴えた。
 猪崎はこれまでにも度々判定に泣かされてきただけに、これは当然の抗議だろう。また、メインの審判構成についても、レフェリー、ジャッジが全て日本人というのは、採点以上に疑念を抱かざるを得ない。

 

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