BOX ON! 国内ニュース(9月30日)

10.4 トリプル世界タイトル戦
怪物退治は俺にまかせろ!
 本田、戸高も順調 公開練習
HONDA SPARS 030929.JPG - 10,981BYTES 今週末(10月4日)に迫ったトリプル世界タイトル戦(東京・両国国技館)を前に、世界獲りを狙うS・フライ級の本田秀伸(グリーンツダ)と、2階級制覇に挑む戸高秀樹(緑)が29日午後、帝拳ジムでそれぞれスパーリングを公開し、順調な調整ぶりを示した。 約3週間のメキシコ・トレーニングから前日帰国したばかりの本田は「疲れと時差ボケできつい」とぼやきながらも、日本バンタム級3位の池森久貴(帝拳)を相手に2ラウンズ動いた(上写真)。ごく軽いマス・ボクシングのようなスパーに終始したが、それでも日本屈指のテクニシャンらしいわざを随所に見せた。 挑む相手、WBA世界S・フライ級王者アレクサンデル・ムニョスは23戦全KOの強豪だが「怪物退治は俺にまかせて」と”口撃”の方も絶好調だ。この日着込んだ特性Tシャツには英語でムニョスへのメッセージが−−。「I Will Take You to Heaven(お前を天国に送ってやる)」。クールな中にもベルト奪取の熱い思いを感じさる本田だった。
 TODAKA SPARS 030929.JPG - 14,191BYTES一方WBA世界バンタム級暫定王座決定戦で宿敵レオ・ガメスと再戦する戸高は、日本S・フライ級の新王者川端賢樹(姫路木下)がパートナー(左写真)。こちらもあまり手を出さず、それでも時折サウスポーにスイッチして戦うなど、新戦法? も披露。「相手がガメスと聞いて、タイトルはどうでもいい気持ちになった。リベンジしたい」と、前回アゴを割られて世界王座から引きずりおろされた相手に借りを返したい気持ちがウズウズ。「これ負けたらやめる。負けること絶対ないですが・・」と、自ら退路を絶って気持ちを引き締めている。


ムニョス、ガメスが来日
 来日の遅れていたアレクサンデル・ムニョス(WBA・S・フライ級王者)とレオ・ガメス(元WBAミニマム−S・フライの4階級王者)のベネズエラ勢が29日午後相次いで成田空港に到着。宿舎のホテルにチェックインしひと息入れた後、両選手とも夕刻には旅の疲れも見せず帝拳ジムで軽くジムワークを行った。明日30日には報道陣にスパーリングを公開する。

 BOX ON! 国内ニュース(9月29日)

金井デビュー以来11連続KO
丸山の13連続を猛追

 兵庫のホープがまた倒した! 28日姫路市武道館で行われた10回戦で、日本フェザー級8位の金井晶聡(姫路木下)はフィリピン・S・バンタム級5位のボーイ・ギバラと対戦し、2回に右1発を決めて回45秒KO勝ち。デビュー以来の連続KO記録を「11連続」とした。日本記録は現在日本S・フライ級6位の丸山大輔(筑豊)が更新中で「13連続KO」。金井の記録は赤井英和(グリーンツダ)と並ぶ歴代2位の記録だ。
 金井はサウスポーで戦うギバラのビデオを見て準備していたが、実際にこの日の試合でギバラはオーソドックスで戦い、めん食らわされたという。それでも臨機応変にギバラを料理し、逸材ぶりを発揮した。
 セミの10回戦では、金井の同僚三谷将之が長谷部弘康(新日本呉)に文句なしの3−0判定勝ちを飾っている。

 BOX ON! 国内ニュース(9月28日)

10/4トリプル世界戦
西岡、ウィラポンとも好調アピール
 WBCバンタム級戦公開スパー
 3度目のライバル対決、勝つのNISHIOKA SPARS 030928.JPG - 16,947BYTESはオレだ−−10月4日のトリプル世界タイトル戦(東京・両国国技館)のメインカード、WBC世界バンタム級タイトルマッチに出場する両選手が27、28両日、相次いで帝拳ジムで公開スパーを行い、報道陣の前で好調さをアピールした。
 27日には、挑戦者・西岡利晃(帝拳)がメキシコから呼んだパートナーの1人、アドルフォ・ランデーロ相手に2ラウンズ動いた。偵察に駆けつけたスチャート・マネらウィラポン陣営も見守る中、西岡は得意の左ストレート、右フックを繰り出して順調な仕上がりぶりを示した。「これまで最高の練習ができた。今度こそハッキリ決着をつけたい。最後に勝つのは僕です」と力強く必勝宣言していた。
 「三度目の正直」を期す西岡は5月以来計350ラウンズのスパーを積んで4日の試合に備えているが、一方のチャンピオン、ウィラポン・ナコンルアンプロモーション(タイ)もタイで4ヵ月間に計259ラウンズのスパーをこなしてきた。28日の公開スパーでは折田力人(帝拳)を相手に2ラウンズのスパーを披露。全体的に控え目のスパーだったが、それでも時折鋭い右ストレートを飛ばすと、報道陣から「オーッ」と声が上がった。「西岡選手はレベルアップしているので、自分もれぺるアップしないと勝てない。油断はしない」と、チャンピオンは謙虚な中にも揺らぐことのない自信を吐露した。


ベネズエラの2選手明日来日
 トリプル世界戦に来日するベネズエラの2選手の到着が遅れ、明日29日に変更となった。WBA世界S・フライ級王者アレクサンデル・ムニョス(本田秀伸と対戦)と元4階級世界王者レオ・ガメス(戸高秀樹と決定戦)の2選手で、航空機の乗り継ぎがうまくいかず、27日に到着予定が明日29日に変更となったもの。このため当初明日に予定されていた両選手の公開スパーは30日に変更となり、代わりに戸高と本田が繰り上げて明日29日公開練習に臨む。

 BOX ON! 国内ニュース(9月26日)

辰吉、辛くも生き残った
アビラに大苦戦の判定勝ちTATSUYOSHI-AVILA-030926.JPG - 19,221BYTES
 元WBC世界バンタム級王者辰吉丈一郎は26日大阪市中央体育館で行なった「世界前哨戦」でWBC19位のフリオ・セサール・アビラ(メキシコ)に僅差判定勝ちを飾った。
 世界戦までの最後のハードルとして設定されたこの試合、辰吉は3回まで自分のペースで試合を運んだが、その後体が思うように動かず、しつように手を出してくるメキシカンのインファイトに巻き込まれ苦戦。8回にはアビラの右クロスからの攻撃に動きが止まり、ダウン寸前のピンチ。6月に左足をけがしてロードワークが出来ずに試合に臨んだというツケが回り、その後も苦しいラウンドが続いた。結局辰吉本来の見せ場がないまま試合終了。
 スコアは上中、宮崎、安田の3ジャッジとも95−93で辰吉の勝ちとしたが、原田レフェリーが5、9回の2度アビラに対しグローブを握らずに打ったとして反則減点をとり、辰吉には幸運の判定勝ちとなった。しかしアビラは「レフェリーが辰吉を勝たした」と納得していない。
 一方辰吉本人は「クソ面白くない試合をして僕自身悔しい。判定まで行ったこと自体が僕の負け。でも生き残れてよかった。必ずWBCのベルトを獲ります」と満員のファンに訴えた。吉井寛・大阪帝拳ジム会長は今後について「しばらく休養してから、話し合いたい」として、結論を出さなかった。 


世界5位大東、石田に完敗
 辰吉戦の前座で新旧交代−−ISHIDA-OHHIGASHI 030926.JPG - 12,608BYTES
 関西重量級の新旧交代劇−−26日大阪市中央体育館の辰吉−アビラ戦と同じリングで行われたS・ウェルター級の注目カードで、WBC世界5位の大東旭(大鵬)は、元東洋太平洋同級王者(現日本1位)石田順裕(金沢)に大差判定負けを喫した。
 立ち上がり、これが49戦目の大東(33歳)はいつになく果敢に攻めて出たが、石田(28歳)の正確な左フック、右ストレートで迎え撃ちされ、苦しい展開となった。その後も同じペースで進み、終盤大東もボディー攻撃で最後まで石田を崩せなかった。
 石田もタフな大東を倒すまでには至らなかったが、自身のキャリアでも特に印象的な勝利を飾った。スコアは99−91(宮崎)、96−94(安田)、97−94(原田)と3−0だったが、2、3点の小差はない。
 大東は96年以来の連勝記録を「22」でストップされ、進退問題も浮上したが、これについては言及せず。石田は10勝4KO4敗1分。


山本はサンティリャン攻略に失敗SANTILLIAN 030926.JPG - 14,049BYTES
 同じくセミのウェルター級10回戦では山本大五郎(金沢)が元東洋太平洋同級王者で現WBC17位のレブ・サンティリャン(比)に挑戦したが、8回につかまり1分54秒TKO負けを喫した。前に出てくるサウスポーのサンティリャンに対し、6勝全KO(1敗1分)の強打者山本は得意の右ストレートを迎え撃ちして対抗。ポイントの上では優勢に進めていたが、サンティリャンの老獪で執拗なボディー攻めにジワジワと力をそぎ落され、8回に耐え切れずダウン(主審はスリップと判定)。立ち上がったものの追撃されグロッギーになったところでレフェリー・ストップがかかった。世界ランク入りを阻止される惨敗に山本は試合後通路で号泣。

 BOX ON! 国内ニュース(9月24日)

辰吉の相手アビラ来日AVILA0308.JPG - 8,722BYTES
 26日大阪中央体育館で行なわれる辰吉丈一郎の今年第1戦で相手を務めるWBC世界バンタム級24位のフリオ・セサール・アビラ(メキシコ:右写真)が、ロレンソ・ペレス・マネともに23日関西空港着の日航機で来日した。「何回とはいわないが、KOで勝つ」と自信の言。

 

 



熟山、ドミンゴに判定勝ち
 23日兵庫県高砂市総合体育館で行なわれた日比対抗戦のメインのバンタム級戦は、日本王座再挑戦の機会をうかがう同級1位・塾山竜一(JM加古川)がマイケル・ドミンゴに10回判定勝ち。同じリングの10回戦で、同僚のライト級古橋秀之はバート・ナバレスに6回終了TKO勝ちしたが、フェザー級元ランカーの戎岡彰(明石)は5回2分33秒負傷判定負けを喫している。

 BOX ON! 国内ニュース(9月24日)

11月後楽園ホールで”沖縄祭り”
全試合沖縄出身選手出場
 HIRANAKA KAICHO 030924.JPG - 7,030BYTES後楽園ホールの試合で4回戦からメインまで片側青コーナーすべてが沖縄出身選手−−こんな異例の興行が11月25日に予定されている。仕掛人は元世界J・ウェルター級王者で現在は沖縄ボクシングスクールジムを主宰する平仲信明会長(39歳)だ。
 ”沖縄から世界へ”のスローガンを掲げて世界チャンピオンになった平仲会長は、今も沖縄にこだわり続ける。地元では「Mugen(無限)」のタイトル名で7度の興行を手がけたが、沖縄選手を起用して東京での興行はもちろん初めてだ。メインの日本S・ウェルター級7位・新屋敷幸春(沖縄ワールドリング)出場の8回戦(相手未定)の他、6回戦ではアマから転向した逸材・翁長吾央、石垣栄ら元アマ王者ら期待の星が登場する。(左写真:仕掛け人の平仲会長


「祭りをテーマに、にぎやかに沖縄をアピールしたい。沖縄選手を全部青コーナーから出します。挑戦者の気持ちでいきたいから」と平仲会長は東京に乗り込んでの”沖縄祭り”開催の抱負を語る。なお世界再挑戦を待つWBC世界S・バンタム級4位の仲里繁もスパーリングを披露し沖縄フェアに花を添えるする予定だ。
 

 BOX ON! ニュース(9月21日)

本望、消化不良の負傷ドロー防衛
  リナレスは鮮やか2回KO勝ち
HONMO NAKAMURA 030920.JPG - 15,356BYTES 20日、後楽園ホールで行われた日本S・フェザー級タイトルマッチは4回1分8秒負傷引き分けの不本意な結末に──。
 チャンピオン本望信人(角海老宝石)と、挑戦者2位の中村つよし(スペースK)のスマートなボクサー対決は、立ち上がりから期待に違わぬ技巧の応酬に。本望が得意のステップワークと左ジャブでゲームメークすれば、中村はややトリッキーな動きもまじえ、フリッカージャブ、右アッパーを差し込む。
 それでも2回、本望が深いステップインからのジャブを多用すると中村は鼻から出血。距離が開くと、左ジャブをダブル、トリプル、さらに中村の出鼻にストッピング・ジャブと本望がペースを手繰り寄せ始めた4回だった。
NAKAMURA TSUYOSHI 030920.JPG - 10,725BYTES 中村の右が本望のアゴをいい角度でかすめると、チャンピオンが加速。打ち合いになりかけたのだが、中村が右目上をざっくりカット。レフェリーはバッティングによるものとし、ドクターチェック後に試合をストップしてしまった。中村は地団駄を踏み、本望は「左フックに手応えがあったので、頭ではない」と不満の表情。いずれにしても、ストップが前半のため負傷引き分け、本望の3度目の防衛となった。
 前座8回戦には話題のホルヘ・リナレス(ベネズエラ)が登場。韓国S・バンタム級5位の兎正根を2回に右ストレートで2度倒して見事なKO勝ち。これで戦績を6勝4KO無敗としたリナレスは、10月18日に福島学(JBスポーツ)を破り東洋王座を獲得したばかりのペドリート・ローレンテ(フィリピン)とノンタイトル10回戦を行う。

 BOX ON! 国内ニュース(9月17日)

日本王者畠山育てた女性・赤坂さん
19日のNHK「にんげんドキュメント」で全国放送
HATAKEYAMA AKASAKA MANAGER.JPG - 11,567BYTES ボクシング界では珍しい女性のトレーナー&マネジャーで、実質「ジム会長」でもあるという赤坂裕美子さん(31歳)が、NHKテレビのドキュメンタリー番組で紹介される。19日午後11時からの30分番組「にんげんドキュメント」で、「夢は世界チャンピオン〜女性トレーナーの挑戦」のタイトルで放送予定。
 赤坂さんは、札幌市豊平区にある協栄札幌赤坂ジムの「会長代行」。父親で同ジム代表の赤坂佳昭さん(元日本ミドル級王者)が病に伏したため、6年前、兄の宗治さんからバトンを受けてジムを切り盛りするようになった。当時、入門してきた畠山昌人を一から指導して同ジムそして、北海道のジム初の王者(日本L・フライ級チャンピオン)に育て上げ、さらに上を狙わせようと張り切っている。父も果たせなかった王者誕生を、ボクシング経験のない彼女が成し遂げた秘訣は? 番組では異色の女性ボクシング人・赤坂さんのバイタリティーあふれる日常生活を紹介しながら、彼女とともに歩む選手たちのひと夏の奮闘を描く。
 

 BOX ON! 国内ニュース(9月16日)

インフォメーション
石川ジムがリック吉村オリジナル・グッズ販売へ
 10月4日に長嶋健吾との大1番を控えるリック吉村のオリジナルグッズが、試合当日に会場で販売されることになった。オリジナルのロゴマーク「gr8」(写真)は、リックの輝かしい実績を「great」と表現し、ポップにデザイン化したもの。リック本RICK1.JPG - 20,512BYTES人もお気に入りだとか。当日販売されるアイテムは以下の通り: ロゴ入りTシャツ、ジャンパー、シール、フォトカード、フィギュア、カンバッジ
 

 BOX ON! 国内ニュース(9月16日)

坂田、世界ランカー対決に圧勝V1
岡田を左一本で完封、7回TKO勝ち
SAKATA OKADA 030916.JPG - 16,839BYTES 9月15日、後楽園ホールで行われた日本フライ級タイトルマッチは、王者でWBA2位の坂田健史(協栄)が挑戦者・岡田一夫(ロッキー=WBA13位)との世界ランカー対決を7回終了TKO勝ちで制し、4月にトラッシュ中沼から取り戻した王座の初防衛に成功した。
 試合はスタートから坂田ペースだった。軽くムダのないフットワークと左ブローを軸にしたアウトボクシングで岡田を翻弄。左をジャブ、フック、アッパーと変化させると、早くも2回には岡田の右目下に赤みが差す。岡田も果敢に前進してパンチを振るうのだが、どうしても坂田の左を突破できない。回を追うごとに岡田の右目が腫れ、7回が終わったインターバルで試合終了。坂田は左一本で岡田を下して、「イメージ通り。落ち着いて試合ができました」と納得の快勝だった。金平会長も「内容重視の試合をいい形でできたと思う。世界?坂田はまだ若いからあせらないが、タイミングを見て……」と語り、次戦が世界挑戦になる可能性も否定しなかった。
 前座では元世界挑戦者・名護明彦(全日本パブリック)がヨックタイ敗戦から再起。しぶとい瀬藤幹人(協栄)を相手にロープ、コーナーにつまる展開だったが、しっかりしたカバーリングから強烈なカウンターを見舞い、2回に左フックで瀬藤をダウン。続く3回にも同じパンチで倒して強烈なKO再起を飾った。 また、ライト級2位の田中光吉(沖)はタイのタノンサック・ソーパランタレーに初回左フックでダウンを奪われ、2−0の辛勝だった。
 

 BOX ON! 国内ニュース(9月16日)

打倒ガメスに自信 戸高のロスキャンプ直撃
 アゴを砕かれた憎き相手レオ・ガメス(ベネズエラ)へのリベンジを誓う前WBA世界S・フライ級王者戸高秀樹(緑)が恒例のマック・クリハラ・トレーナーとのアメリカ・ロサンゼルス・キャンブを実行している。
 今回のスケジュールは8月26日から9月20日まで。無名時代から何度も当地でトレーニングしている戸高。以前はダウンタウンの「LAジム」で汗を流すことが多かった戸高は今回おもにオレンジ郡にある「ラ・ハブラ・ボクシング・クラブ」で鍛えている。取材日、練習を終えた戸高は晴れ晴れとした顔で「今回はすっごく調子がいいんですよ」と順調な仕上がりぶりを強調。一日のスパーは5ラウンドから6ラウンドと、以前の“マック流”に比べるとやや少なめな印象だが、その分、今回は質でカバーしているというべきか。「ムキになって打ち合わないことを心がけているんです。以前のボクシングを大分思い出しているところ。頭を使って冷静に戦えるようになっている」と絶好調の理由を分析する。

 試合のテーマは2パターン。「ガンガン行く時は行く。逆に離れても戦える。どっちでもできる、どっちでも勝てる戦法を磨いている」。戸高はガメス攻略のカギをこう説明する。早朝はカリフォルニアのビーチをミヒャルゾウスキ挑戦が決まったL・ヘビー級フリオ・ゴンサレスとみっちり走り込む。以前体調を崩していたマック氏も元気に回復し、充実した日々を送る戸高は「意地でも勝ちたい。最終ラウンドでもいいから倒したい」と勝利を祈願した。(三浦 勝夫)

 

 BOX ON! 国内ニュース(9月16日)

「飯田覚士のボクシング塾」スタート
 俳優修行のかたわらテレビ解説、対談の司会なども好評の元世界S・フライ級チャンピオン、飯田覚士さん(33歳)が新たな仕事にチャレンジ−−なんと携帯電話の有料サイトでちょっと変わったボクシング教室を始めたのだ。
「飯田覚士ボクシング塾」のタイトルで、利用者はボクシングの基礎から応用までを学べる。単なる技術論だけでなく、飯田さん自らが吸収したボクシングのすべてを、後輩たちに伝えようというもの。月に2度更新のペースで連載していく。
 大学生(岐阜経済大学)でボクシングをスタートしてから本格的にプロの世界に入り世界チャンピオンを目指した飯田さん。その間、福田洋二トレーナー初め多くの指導者らから受けた貴重なアドバイスや、折々に感じたことなどをメモした「飯田ノート」をベースに、「ボクシングの初心者だけでなく、ボクシングを愛するファンなどより多くの人に楽しんでもらいたい」と、飯田さんは張り切っている。
 KDDIauのEZWeb公式コンテンツで、購読料金は月額300円。申し込み、問い合わせは(有)コミニュケーション・コンパス、電話&FAX 03−3724−4185 e-mailは  support@3minutes.jp
 なお飯田さんは去る9月9日付で飯田ボクシングジムの会長職を現役時代からの師匠・福田氏に譲り、今後は外から後輩たちを応援することにしている。これに伴い飯田ジムは「FIジム」へと名称変更している。

 BOX ON! 国内ニュース(9月9日)

川端−松浦再戦を指示 JBC
「無効試合要求」は却下KAWABATA MATSUURA LOW BLOW.JPG - 14,295BYTES
 JBC=日本ボクシングコミッション(林有厚コミッショナー)=は6日後楽園ホールで行われたプロスパー松浦(国際)−川端賢樹(姫路木下)の日本S・フライ級タイトルマッチでレフェリーの判断ミスがあったとして、8日付で両選手陣営に対し再戦を指示するとともに、担当の熊崎広大審判員に対し2ヵ月間の資格停止処分を科した。(上写真:2回のローブロー直後のシーン)
 試合は2回に挑戦者川端がチャンピオンの松浦から3度のダウンを奪いKO勝ち。新チャンピオンとなったが、敗れた松浦側は「ノックダウンの直前に川端からロー・ブローを受けダメージを負ったのに、レフェリーは休憩等の措置をとらなかった。試合を続行させたことがその後のKO負けに繋がった」として強く抗議していた。JBCは熊崎主審の不手際を認めてこの処分を決めたものだが、松浦側から出されいた(公式結果を)「無効試合に変更しほしい」との要求は認めなかった。
 再戦期日・会場とも未定だが、松浦のダメージからの回復ぐあいをにらんで、国際、姫路木下両ジム関係者が協議して決めることになる。

 BOX ON! 国内ニュース(9月9日)

嶋田、川島に完勝
保住、一撃で再起、阿部は不本意負傷ドロー
SHIMADA KAWASIMA 030908.JPG - 14,424BYTES 8日、後楽園ホールで行われた日本ライト級タイトルマッチは、チャンピオンの嶋田雄大(ヨネクラ)が、挑戦者同級7位の川島辰久(三迫)に3−0の判定勝ちを収め、3度目の防衛を果たした。 身長で約10センチ劣る嶋田は、下から突き上げるジャブを当て続け終始ペースを掌握。4回、7回と右クロスでKOチャンスをつかんだが、手負いの川島の反撃にあい、倒すことはできず。川島も時折、長い距離からのコンビネーションを返したが、嶋田の巧みなディフェンスに遮られ、リズムを取り返すことはできなかった。
 ジャッジ三者のポイントは98−93(二者)と99−93で王者防衛を支持。技巧派としての地位を確立しつつある嶋田には、以前から熱望する東洋王者・デニス・ローレンテ(フィリピン)に年内にも挑戦する計画があるという。
HOZUMI LEE 030908.JPG - 17,787BYTES セミファイナルには、3月に鈴木悟(八王子中屋)との“頂上対決”を右アキレス腱負傷によりキャンセルした保住直孝(ヨネクラ)が登場。韓国ミドル級7位の李京勲を初回1分42秒、左ボディーアッパー一発でKO(左写真)。昨年10月のWBA王者ウイリアム・ジョッピー戦(10回TKO負け)以来の再起を果たした。
 また、大之伸くま(福間スポーツ)の持つ日本フェザー級王座挑戦が内定している阿部元一(ヨネクラ)は、タイS・フェザー級2位のウィチット・チュワタナに細かい連打で上回っていたものの、バッティングによりできたウィチットの額の傷が深く、4回54秒負傷ドローとなってしまった。
 

 BOX ON! 国内ニュース(9月7日)

石井2回TKOで惨敗
王者ラリオス4度目の防衛成功

LARIOS DOWNS ISHII 030907.JPG - 13,556BYTES石井「3度目の正直」ならず・・・7日名古屋市総合体育館で行なわれたWBC世界S・バンタム級タイトルマッチは、王者オスカル・ラリオス(メキシコ)が6位石井広三(丸木)の挑戦を2回2分2秒レフェリー・ストップのTKOに撃退して4度目の王座防衛に成功した。石井は初回終了間際に右ストレートを受けて最初のダウンを奪われ、2回にもチャンピオンの強打に倒され、見せ場もないまま無念のストップ負け。これで3度の世界戦でいずれも勝てず、試合後引退をにおわせるコメントを残した。
 同じリングで行われた東洋太平洋ウェルター級タイトルマッチ12回戦は、石井の同僚渡辺博がドンドン・スルタンに苦戦を強いられたものの、地元の利にも救われて2−1判定勝ち。2度目の王座防衛に成功した。
 同じくセミの10回戦では、WBC世界L・フライ級5位にランクされる林田龍生(渡嘉敷)がフィリピン・L・フライ級8位のジョセフ・ビラシスと対戦。5回に右アッパーを浴びてダウンを奪われながらピンチを切り抜け、続く6回、左フックのワンパンチで2分13秒逆転KO勝ちに成功した。


豊住初防衛ならず

 熊本の東洋太平洋ミドル級戦、ソリTOYOZUMI 030908.JPG - 16,051BYTESマンに判定負け
 7日熊本県益城町総合体育館で行われた東洋太平洋ミドル級タイトルマッチで初防衛戦に臨んだ豊住徳太郎(本田フィットネス)は、1位サム・ソリマン(豪州)の技巧にしてやられ、2−1の判定を落としベルトを失った。ノックダウンはなし。
 セミの10回戦では、工藤密(本田フィットネス)がハイメ・バルセロナ(フィリピン)に7回1分11秒自らの目のカットがひどく、負傷判定勝ち。
洲鎌は判定勝ち
 元日本フェザー級チャンピオン、洲鎌栄一(尼崎)は7日地元尼崎市アルカイックホール・オクトのリングでベテランのジェフリー・オニャテ(フィリピン)と対戦、3−0判定勝ちを飾っている。

 BOX ON! 国内ニュース(9月7日)

プロスパー初防衛失敗、川端念願のKO奪冠
波乱の日本S・フライ級タイトルマッチ
KAWABATA KO MATSUURA.JPG - 25,215BYTES 6日夜後楽園ホールで行われた日本S・フライ級タイトルマッチで、王者プロスパー松浦(国際)が2回に挑戦者WBC世界同級14位の川端賢樹(姫路木下)に3度のダウンを奪われ2分53秒KO負け。敗者側は1回目のダウンを奪われる直前にローブローを受けており、休憩も与えず試合を続行したのはレフェリーの不手際だと抗議した。高橋美徳国際ジム会長は月曜日にも正式に日本ボクシングコミッションに提訴すると語っている。
 新王者川端(31歳)はこれまでタイでの世界戦を含め2度のタイトル戦で勝てず、一度は引退していたこともあるベテラン。「やっと花が咲きました」と、苦労が報われて感激。これで21勝12KO5敗2分となった。敗れた松浦は22勝10KO4敗。
 なおこの日のセミの10回戦では、松浦の同僚で元日本S・フェザー級王者のキンジ天野(国際)がマノプチャイ・シンワンチャー(タイ)の強い抵抗に遭いながらも得意のホディー攻めでジワジワと弱らせ、8回に左フックをボディーにたたきこんでこの回35秒KO勝ちしている。

高校6冠王・粟生KOデビュー
 高校ボクシング初の6冠王に輝いたアマの大器がプロ・ビュー。獲得を土産に帝拳ジムと契約し大きな期待を集める粟生隆寛(帝拳)が昨6日の後楽園ホールのリングでプロ初陣に臨み、柏原広(ヨネクラ)に2回TKO勝ちした。右フックから左ストレートを浴びせてTKO勝ちしたもの。「目標はラスベガスで世界チャンピオン奪取」と夢もデッカい19歳だ。

8月のMVP男は湯場
 東日本ボクシング協会選定の8月度の優秀選手選考が6日行われ、MVPにはカムバック戦でレックス・マルサンにKO勝ちした元日本ライト、S・ライト級王者の湯場忠志(都城レオスポーツ)が選ばれた。4度目のMVP賞獲得。また敢闘賞には、4日の試合で太田宏樹にKO勝ちした日本S・ライト級2位の木村登勇(横浜光)が、新鋭賞には11日の8回戦で阪東ヒーローを判定で破った涼野康太(五代)が選ばれている。授賞式は9月20日に後楽園ホールのリング上で催される予定。


 

 BOX ON! 国内ニュース(9月6日)

バクティンがはく離骨折
防衛戦は12月に延期に
BAKHTIN.JPG - 15,298BYTES 日本バンタム級王者サーシャ・バクティン(協栄)は、右コブシをはく離骨折していたことが判明したため、10月20日に後楽園ホールで予定していた2度目の防衛戦(対木嶋安雄=角海老宝石)は延期になった−−と、協栄ジムが5日発表している。4日のスパーリングで痛めたものらしい。これまでバクティンは何度か拳を傷めているが、今回は新しい箇所だという。
 バクティン−木嶋戦は12月15日に同じリングで挙行される予定。この日のメインは佐藤修の試合を予定しているが、相手等まだ決まっていない。

 BOX ON! 国内ニュース(9月6日)

元王者仲の再起戦11月8日に決定
相手はノーランクの上杉
 元日本バンタム級チャンNAKA.JPGピオン仲宣明(尼崎)の1年ぶりとなる再起戦が正式決定した。11月8日、大阪市京橋の1PMホールで、ノーランクの上杉博一(森岡)との10回戦。 仲は今年3月に東洋太平洋同級王者ジェス・マーカに挑戦が決まっていながら、不運にも暮れにバイクを運転中接触事故に遭い転倒。負傷して1週間入院している。このためマーカ戦は中止となった。この東洋挑戦に備えそれまで7度の防衛を果たしてきた日本タイトルも返上していたため、いまは無冠のままである。
 約1年ぶりとなる試合は、S・バンタムの契約で行われる。このところやや伸び悩みの感もある仲だが、長期間の休養でリフレッシュの効化はいかに? 相手がノーランクだけに、復調をチェックする、内容が問われる試合となりそうだ。

 BOX ON! 国内ニュース(9月4日)

高橋、KO勝ちも苦闘
初回に仕留められず6回まで長引く
TAKAHASHI SATOSHI 0904.JPG - 16,387BYTES 3日、後楽園ホールで行われた10回戦は昨年度東日本新人王・高橋巧(さとし=ロッキー)がタイのプロプラーム・クロンパチョンに6回2分32秒KO勝ちを収めた。
 初回に重い左ボディーを炸裂させて2度ダウンを奪った高橋だが、ツメを欠いて倒しきれず。試合が進むにつれて、プロプラームも力感はないがタイミングのいい右アッパー、左ジャブで高橋に鼻血を流させた。
 徐々にモーションが大きく、リズムが単調になった高橋は、星野敬太郎相手に最終回まで粘ったタイ人に手を焼いたものの6回、体の大きさを利用してコーナーに押し込むと、左右ボディーを決めてプロプラームをひざまずかせた。高橋はこれで9勝9KO1分。
 また、セミでは日本フライ級9位の萬藤厚史(ファイティング原田)がウィン・ネイションマン(タイ)に強烈な左ボディーアッパーを決めて2回2分6秒KO勝ちしている。

 BOX ON! 国内ニュース(9月4日)

小松−中沼再戦は2月15日
 8月24日に行われた小松則幸(エディタウンゼント)−トラッシュ中沼(国際)のOPBFフライ級戦は、来年2月15日に再戦が決まった。会場は大阪中央体育館、時間は未定だ。初戦はスプリットで小松の王座防衛となったものの、直後からジムやコミッション、各種メディアに「中沼の勝ちだ」とする抗議が殺到。成り行きが注目されていた。今日4日、エディタウンゼント・ジムの村田英次郎会長から正式発表がある。

 BOX ON! 国内ニュース(9月3日)

内藤、タイのノーランカー倒す
NAITO KO 030902.JPG - 18,169BYTES 日本フライ級1位の内藤大助が7ヵ月ぶりにリングに上がり,タイのノーランカー,ソントーン・チタラダを5回で沈めた。「久々の試合で体が動かなかった」という内藤の言葉通り,力が入って動きがいささかラフ。それでも4勝4KO4敗のタイ人とは地力に差があり,3回にはフリッカー気味のジャブ2発で相手のガードをゆらしてすかさず右ロング。この一撃でダウンを奪うと,5回に右フック−左ボディー−右フックのコンビネーションで再び倒して試合を決めた。タイムは1分15秒。世界挑戦者だが,いまだタイトルを取ったことのない内藤は, ポスト坂田をうかがって「とにかく今は日本タイトルをとることしか頭にありません」。1年間続けたサラリーマン生活をこの8月で辞め「バイトしながら ボクシング一本でやっていきます」
   リッキー☆ツカモトは片淵剛太(花形)を2度ダウンさせての大差判定勝ちでランク復帰を決めたが,セミの松信秀和はノーランクの長岡智冶 (花形) にヒヤヒヤの逆転勝利だった。2回に長岡の左フックでダウンを喫した松信は,その後も五分の打ち合いを許して不安定なデキ。右のストレートを打ち込んでラッシュし,試合を決めたのは8回だった。タイムは52秒。元新人王・熊野和義はサティアン・シットゴーソンに2回TKO勝ちしている。

 BOX ON! 国内ニュース(9月3日)

近づくWBC世界S・バンタム級戦=名古屋
石井、ラリオス公開スパーを見て
  飯田元チャンピオンの眼
 7日に迫ったWBC世界S・バンタム級タイトルマッチ、1日には挑戦者6位石井広三(天熊丸木)が、2日には王者オスカル・ラリオス(メキシコ)がいずれも名古屋市内の天熊丸木ジムでメディアにスパーリングを公開した。パートナーはいずれも天熊丸木ジムの杉田真教で、同僚の石井相手には軽く流す先輩石井に合わせておとなしかったが、2日のラリオスには積極的に打って出て、チャンピオンに楽をさせなかった。
 元WBA世界S・フライ級チャンピオンでこの試合のテレビ解説をつとめる飯田覚士さんにスパーを見た感想を寄せてもらった。
「石井君の2Rはワンツーも軽く打つだけで、軽く流した感じ。顔色も悪く、ツヤがなかったのは、減量がきついのがありありでした。一方のラリオスは杉田がガンガン打ちにいくから応戦しないわけにはいかなかったのですが、アレっと思ったのは、うまさ、強さが見られなかったこと。左のボディーは思い切って打ったものの、杉田のジャブを簡単にもらったり、距離カンが悪かった。ストレートを打つ時に、時々右足がぶれて前に行ってしまうのはこの選手の癖です。前回の仲里戦で骨折したアゴについては、手術のあとも見えず、本人も”問題ない”と言っていました。メキシコでもそこそこの選手とスパーしてパンチをもらっても大丈夫だったそうですが、さぁどうでしょうか。
 石井君が手の内を見せたくないために流しただけのスパーだったのなら、本番は期待できるでしょう。本人も「調子はいい」と言っていましたが、そうあってほしいですね」 

 BOX ON! 国内ニュース(9月1日)

徳山の次期防衛戦は1位キリロフと
 来年1月大阪で−と金沢ジムが発表TOKUYAMA VICTORY.JPG - 20,941BYTES
 WBC世界S・フライ級チャンピオン、徳山昌守(金沢)の次期防衛戦は、来年1月上旬に大阪市中央体育館で1位のドミトリー・キリロフ(ロシア)を相手に行われることに決まり、1日金沢ジム金沢英雄会長から発表された。通算8度目の防衛戦となる。6月に川嶋勝重を判定で撃退しV7を果たした後は”オフ”の状態。8月28日から仁淑夫人とともにタイに遅ればせながらの新婚旅行に出掛けており、この日の記者発表は本人不在のまま行われた。
 徳山の次期防衛戦の相手には、一時前東洋太平洋王者石原英康(松田)の名も挙がっていたが、年に一度の指名試合期限が11月に迫り、キリロフ側も挑戦に意欲的なことから、最強の挑戦者を迎えることを決めた。2ヵ月間指名期限をオーバーして1月挙行となり、これはキリロフ側もOKしている。
 キリロフはサンクトペテルブルクが本拠地の24歳。スピードのあるボクサー型で、これまで24戦して22勝7KO1敗(主催者発表。23勝説もある)。「うまいが、こわさはない」(マッチメーカーのジョー小泉氏)というが、技術的レベルの高い選手が多いだけに、油断できない。日本のリングでロシア人ボクサーが世界戦に出場するのは、勇利アルバチャコフ(元WBC世界フライ級王者)以来となる。王者徳山(28歳)は29勝8KO2敗1分。 

 BOX ON! 国内ニュース(9月1日)

=訃報=
”和製クレイ”
元ライト級王者辻本英守さん逝く
TSUJIMOTO KO ASO.JPG - 19,154BYTES 元日本ライト級チャンピオンで大星モリガキジム・プロモーターの辻本英守さんが31日午後4時過ぎ、心不全のため埼玉県さいたま市内の病院で死去した。59歳だった。
 辻本さんは奈良県出身。大阪の大星ジムに入門し、1962年にプロ・デビュー。2年目からは東京に活躍の拠点を移し、「和製クレイ」と異名をとった頭脳的変則スタイルと強打で当時人気のあったテレビ・ボクシングの常連となった。(上写真:阿蘇行憲にKO勝利を収めた瞬間
 3度のタイトル戦で王座を逸した後の69年10月、日本ライト級王座決定戦で虎岩純(野口)に5回KO勝ちして、念願のチャンピオン・ベルトを巻く。これは翌年の初防衛戦で高山将孝(ピストン堀口)に敗れ無冠となった。プロ戦績は67戦43勝21KO20敗4分。兄弟ボクサーとしても知られ、弟の辻本章次さん(55歳)は元日本ウェルター級チャンピオンで現在TSUJIMOTO HIDEMORI FACE.JPG - 6,377BYTES西日本ボクシング協会会長(江坂ジム主宰)。 引退後指導者に転じてからは、グリーンツダジムで”浪速のロッキー”赤井英和らを、沼田ジムでは入門間もない横山啓介(後に日本ミニマム&L・フライ級王者)らを指導した。昨年胃がんの手術を受けたが、その後転移して病状が悪化していた。
 辻本さんの葬儀は、妻のとも子さんが喪主を務め、4日午後6時から通夜、5日正午から告別式が執り行われる。式場は埼玉県さいたま市桜区大字下大久保1523−1の浦和斎場(電話048−855−6246)。
 

 BOX ON! 国内ニュース(9月1日)

「最強のテレビマン」伏木が初メイン登場
FUSEGI, APOLO.JPG - 17,060BYTES 異色のプロボクサーが9月5日大阪府立体育会館第二競技場で初のメインイベントに臨む。ウェルター級6回戦でガオグライ・ゲーンノラシン(タイ)と対戦する伏木崇(アポロ:右写真右)で、本業(?)はなんとよみうりテレビ報道局所属の現役バリバリのディレクター。平日早朝の「ズームインSUPER」(日本テレビ系)の番組制作に参加しているというのだから変わっている。
 伏木は学生時代に東京の青木ジムに入門し、10年前にプロで1戦1KO勝ち。しかしそれでなくても多忙を極めるテレビマンとあって、その後はボクシングから離れていた。カムバックのきっかけは、京大医学部に在学しながらリングに上がる異色ボクサー、川島実のドキュメンタリー番組制作にかかわったこと。密着取材で川島の頑張りを目の当たりにして「俺もやりたい」と一念発起。アポロジムに移籍して7年ぶりのカムバックを果たした。その後は忙しい仕事の合間を縫ってリングに上がり、これまで通算5勝1KO3敗2分の戦績。
 ところで伏木は今月24日に36歳の誕生日を迎えたばかり。ということは、あと1年経過すると37歳の誕生日を迎え「定年」となる。それまでにチャンピオンにでもならない限り定年延長の特例ルールは適用されないが、現在所持するのは6回戦までしかできないB級ライセンスだからこれはまず不可能。従って目下の願いは「引退までになんとかしてA級ライセンスを取りたい!」(伏木)。アポロジムの度紀嘉男会長は「今度の試合に勝てれば、A級を申請します」と後押ししている。 

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