ショーセイの新米ジム会長奮戦記

新田 渉世 
(元東洋太平洋バンタム級王者)


持つべきものは、優秀な後輩!

 オープンパーティの会場が、ジムの向かいにあるイタリアレストランに決まった。少しでも華やかで話題に満ちたパーティになるよう、「司会には是非この人―」と、目をつけていた人間がいた。某テレビ局の人気アナウンサー、T君だ。"T君"と呼ぶのには訳がある。実は私の大学の後輩なのだ。同じ学部学科で同じ研究室。年齢は10歳近く離れているが、同じ教官の下で学んだ仲間意識は高い(そう思っているのはこちらだけだったりして・・・)。
 かつてT君とは、更に面白い関わりがあった。私は引退後、人生の第2ラウンドをどんな風に生きようか模索していた頃、何を思ったのかTVアナウンサーの就職試験に応募したことがあった。当時就職活動中だった後輩のT君と連絡を取り合い、彼と共に某テレビ局の採用試験に応募した。2人とも書類審査をパスし、東京の本社で面接の日を迎えた。数人の面接官の中には、かつて何度か私の試合の実況を担当したMアナウンサーの顔も見えた。向こうは気付いていたのか分からないが(書類を見ているはずなので、気付いていただろう)何となく恥ずかしかったので知らぬ顔を通した。別の面接官のテーブルに振り分けられ、あれこれ質問された。「面白い経歴ですねえ。ところで現在の日本経済についてどう思いますか?」突然の予想だにしていなかった質問!!「え?いや、あの・・・やはりマクロ経済がミクロ経済で???」しどろもどろになってしまった自分が情けなかった。面接後は、T君と喫茶店に入っNITTAGYM. SPAR-PARTY.JPG - 25,306BYTESて反省会。お互いの夢や将来について語り合ったりした。
 残念ながら、その局からは2人とも不採用の通知が送られてきた。しかし、後日T君は別の局に見事合格し、現在は平日の朝、週末の夜と、レギュラーを何本も抱える人気アナとして活躍している。そんな面白い関わりを持ったよしみで、無理なお願いをした次第なのである。
 アナウンサーになってからのT君は、Yジム興行のテレビ放映でコーナーサイドの実況レポートなども経験し、ボクシングとは少なからず関わりを持つようになっていた。そんなわけで、パーティ前のジムお披露目会では、特別スパーリングのリングアナウンスや選手へのインタビューを務めてもらうなど、大いに場を盛り上げてもらうことが出来た。
 パーティでは女性達の人気を独占。記念撮影の依頼が殺到したが、嫌な顔ひとつせずニコニコとそれに応じてくれた。見事な司会ぶりと、さわやかな笑顔をサービスしてくれたT君は、夜のレギュラー番組へ向けて颯爽とパーティ会場を去って行った。スポーツニュースで番組を進行していたT君は、ミーハーな新田ジム女性スタッフとの約束通り、"左手の親指をピッと立ててニコッと笑うサイン"を送ってくれた。
 カッコ良く決まっている彼を見ながら、「もう少し経済の勉強をしておけばよかったかな―」と少しだけ思ったりもした。

新田ジム 最新情報
  9月3日(水)、新田ジムから新たに5人の選手がプロテストを受験しました。浜里幸広、志賀悠、佐藤祐の3名が合格。残る2人は残念ながら不合格となってしまいました。これでプロ選手は合計6名となりました。
 10月1日(水)にデビュー戦を控えた 西 禄朋が、カー専門誌「ピットカー」にてセルフデザインカーの紹介ページに採り上げられました。西は車のセルフデザインの仕事をしており、業界ではちょっとした有名人という面白い逸材でもあります。

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新田渉世(にった・しょうせい) 
87年、横浜国大2年の時にプロデビュー。96年10月にOPBFバンタム級王座を獲得し、「国立大卒初の王者」としても話題となった。
34戦23勝(17KO)9敗(3KO)2分

新田ボクシングジム   
神奈川県川崎市多摩区登戸2832 小田急線向ケ丘遊園駅徒歩5分
TEL 044-932-4639
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