ショーセイの新米ジム会長奮戦記

新田 渉世 
(元東洋太平洋バンタム級王者)


洪さんから熱烈歓待を受けた

"韓国の英雄" 洪 秀煥(ホン・スー・ファン)に、ジム開設に向けて動き出したことを報告するためソウルを訪れた私は、到着した夜から本場の焼肉屋でフルコースをご馳走になった。そこでは、人々が代わる代わるホンさんにビールをつぎに来て談笑するという忙しいディナーとなってしまった。皆、昔から知っている友人のように親しげにホンさんに話しかけていた。("庶民的ヒーロー"なんだなあ、ホンさんは・・・。)改めてこの人物が好きになった。
ホンさんの知人らしき男が、「食事のあとに飲みに行こう!」と誘ってきた。少し考えてから、「ニッタ、行コウカ!!」と、ホンさんはにっこり笑った。
 連れて行かれた店は、生バンドのある高級クラブ。出迎えたオーナーは有名な歌手らしい。集合のかかった知人達が次々と集まり、即席の宴会が催された。どうも"そのスジ"の人達のようだが、ホンさんと日本からの訪問客は、彼らから熱烈歓迎を受けた。綺麗なお姉さん達の接待と、生バンド演奏によるカラオケで宴会は盛り上がった。奥さんとデュエットでCDを出している"歌手" でもあるホン・スー・ファンの歌声は、ひと味違う趣をかもし出していた。
 しばらくするとホンさんは席を離れ、長い時間戻らなかった。心配になって隣に座った強面の男に尋ねると、別席のファンに呼び出されて一緒に飲んでいるという。("庶民的ヒーロー"も楽ではないな・・・。)夜も更け、席に戻ってきたホンさんは、「ニッタ、行コウカ!!」とにっこり笑った。
 翌朝、運転手付きの高級車でホテルのロビーまで迎えに来てくれたホンさんが、「ニッタ、スシ、食ベマショウ、スシ!!」と、生命力溢れる大声で叫んだ。韓国流"スシ"のフルコース(キムチ付き)をご馳走になり、私の胃袋は昨夜の焼肉との激闘に続き、少々オーバーワークぎみとなってしまった。
NITTA-HONG 030711.JPG - 10,768BYTES "スシ"の後は、韓国人初の世界チャンピオン金 基洙(キム・キ・ス)の"CHAMP's RESUTAURANT"でコーヒータイム。かつてホンさんがトレーニングで走って登ったという"南山"の頂上にある"ソウルタワー"を見物。続いてホンさんのお姉さんが働く被服市場を訪れ、「コレハアンタノ奥サンニ、コレハ子供達ニ・・・」と、お土産攻撃。
そして最後に駄目押しの焼肉屋フルコース!!昨夜とは少し雰囲気の違う上品なお店には、ホンさんの奥さんもやって来た。最後の力を振り絞って?ご馳走を楽しんだ後は、自宅に招かれて末息子のホン・チャン・ハン君(9歳)とご対面。最後まで暖かいおもてなしを受けた上、師匠は車でホテルまで送ってくれた。「イツカ一緒ニ大キイ仕事シマショウ!」と笑う師匠に感謝の意を表す為に、覚えたての韓国語でお礼を言った。「ヨロカジロ、シンセマニ、キッスムニダ!(いろいろとお世話になりました)」 


新田ジム 最新情報

読者が本稿を読まれる頃には、結果が出ているであろう7月10日のプロテストに西 禄朋(23)と、もうひとり竹内俊介(22)が受験する。現在この2人を担当しているのは、元・協栄ジムチーフトレーナーの上甲駿一トレーナー(61)。新田ジムでもう一旗上げようと、西、竹内らへのコーチングに力が入る。良い結果を期待する・・・。

NITTA-W.JPG
新田渉世(にった・しょうせい) 
87年、横浜国大2年の時にプロデビュー。96年10月にOPBFバンタム級王座を獲得し、「国立大卒初の王者」としても話題となった。
34戦23勝(17KO)9敗2分

新田ボクシングジム   
神奈川県川崎市多摩区登戸2832 小田急線向ケ丘遊園駅徒歩5分
TEL 044-932-4639
ホームページできました!

 

  コラム一覧 バックナンバー



(C) Copyright2003 ワールドボクシング編集部. All rights reserved.