観戦記 イェフゲン・キトロフvsイマヌエル・アリーム | ボクシング独我論~最高の技術と,戦術眼と,知識を,君に~

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試合結果:アリーム6回TKO勝利

 

 

ウクライナの獅子イェフゲン・キトロフと17戦無敗の好戦績を誇るイマヌエル・アリームが争うWBCシルバー・ミドル級王座決定戦。

 

初回、インサイドスリップ際テンプルに食った右を切っ掛けに連打を浴び、甚大なダメージを負った。ここから盛り返すだけでも驚異的なタフネス、スタミナ。そして攻防一体を体現しながら連打を繰り出すアタッキングスキルには驚くばかり。

しかし、それ以上にこの試合で目立ったのは選手としての状態の悪さ。ピンチに陥り、この選手の本気が見れたが食った事、負けた事以上に印象が悪い。
 

プロ転向初期から実験的な立ち回り、手筋を試す素振りもあったが未だにアマ、プロのギャップに苦しみ、やれる事とやれた事、やりたい事の整理が付いていない。きっちりプロ仕様のスタイルを纏め上げた村田諒太とは正反対の状態。

 

実際この選手のボクシングをどう弄るか?
スタンス、パンチ、得意パターンはいずれも詰め、決めフェイズ仕様。3回制、グローブ、ギアの保護があったアマとは違う。
ここまでキャリアのある選手が一から練り直し?なんて現実的じゃないよね。
ある意味"詰んでいる"状態なのかもしれない。